国産木材(高知県産材)の骨組み
千葉県柏市で進んでいる新築木造住宅の現場が、上棟しました!
上棟の2日前に土台敷きがあり、翌日には1階の床を張りながら1階の柱を数本建て、その周りで足場の組み立て。
現代の建て方はプレカットが主流
木造では柱や梁を組むために、継手という加工が必要になります。昔はその加工を手で加工する手刻みでしたが、今ではプレカットという、機械による工場生産によって行うシステムで行われているます。
プレカットは英語で書くとPre-Cutと書き、「前もってカットする」という意味で、コンピューター制御により機械で加工するシステム(「プレカットCAD/CAM(キャド・キャム)システム」)が開発され全自動化するシステムが一般的です。スピードと正確さがメリットで、住宅建築の工期短縮と寸法精度の向上、大工さん不足の解消などに貢献し、大工さんの刻み場が確保しづらい首都圏での普及率は90%以上といわれています。
ただし、寸法精度がいいため、良質な乾燥材でないとプレカット加工後の木材の変形により、現場で木材の施工がうまくいかないことがあります。
上棟を建主と見るということ
上棟の前日には1階の床組や足場ができ、建て方の準備をしており、上棟の当日の建方は1日で終わりました。
建方は、構造部材の組み立て作業のことで、材寸や継手・仕口が加工された柱、梁材などの材料を、機械または人力により組み立て、火打ち、束、母屋、棟木まで建込みを行います。下げ振りや水平器で垂直を確認した後、仮筋交いにて固定します。
柱梁接合部など、構造材の取合いを羽子板ボルト、かすがいで緊結し、屋根垂木、野地板まで1日で立ち上げます。
上の写真の右側にある合板が野地板になります。
この野地板が張られてしまうと屋根越しに空を見上げることができず、この建方の一瞬しかありません。
個人的には、屋根に梁がかかった時が、建築の構造がはっきりわかる時で、このタイミングが一番好きかもしれません。そのため、建主の方にも梁がかかった瞬間を見ていただきたくて、いつもお声がけをしています。今回は、奥様とお子さんが現場に来れて、一緒に上棟のタイミングを過ごせたのでよかったです。
屋根に梁がかかったあとは、一気に野地板を張っていき、空が見えなくなりました。
建方の時には野地板まで張り、天候のことを考えてなるべく早く防水のルーフィングを野地板の上に張り、雨に備えます。
国産材(高知県産材)の木材の構造
今回の柏の家2(回遊する家)では、建主の方と一緒に高知県を訪れ、木が成長している山から原木市場で木が取引され、さらに加工されるまでの木材の上流から下流までを一緒に見てきました。
そんなこともあって、高知県の木材を使った家を建てることになり、その高知県産材の木材の軸組が立ち上がり、私としてもとっても感慨深い上棟となりました。
建主と一緒に高知を訪れた時の記事はこちらからどうぞ。
一緒に家づくりをする工務店、株式会社助川工務店
柏の家2(回遊する家)の家づくりを一緒に進めてくれるのは、千葉県柏市にある工務店、「株式会社助川工務店」さんです。
明治20年創業の老舗の工務店。
西暦だと1887年に創業されています。
そうなると、今年の2019年で132年。
助川工務店さんとは、今まで
松戸の家3(ゲルのある家)
松戸の診療所(無垢な診療所)
我孫子の家1(路地裏のある家)
と3つの仕事を一緒にさせてもらっています。
今はだいぶ寺社の仕事が少なくなっているようですが、昔は宮大工としても職人仕事をされていて、昭和61年(1986)に三代目の助川秋蔵さんが、労働大臣より 「現代の名工」 として卓越技能賞受賞されています。
自社設計施工をしながら設計事務所とも多く仕事をされてますし、自社大工を育ている工務店で、経験・知識・引き出しが豊富な工務店だと、いつも一緒に仕事をしながら感じます。