高知県の田中石灰工業株式会社のタナクリーム漆喰
昭和55年に完成した建物の耐震断熱改修工事が進んでいる千葉県松戸市の既存住宅リノベーションプロジェクトの現場では、内装工事が始まりました。
今回のメインの壁仕上げはクロスですが、1階の客席の部分には漆喰としました。
その漆喰として、今回採用したのが田中石灰工業の「タナクリーム #200プラス」です。田中石灰工業のタナクリームは以前の柏の家2で採用した漆喰ですが、この時は「タナクリーム 1日仕上げ」。
「2階は漆喰の白い空間〜柏の家2(回遊する家) Project Vol.19〜」
このタナクリームを作っている田中石灰工業さんには2度訪れ、石灰を作っている工場を見学させていただきました。
1回目の工場見学は2019年に柏の家2の建主と一緒に見学しました。
「タナクリームと土佐漆喰(とさしっくい)の工場見学」
それからコロナが落ち着いた4年後に再訪。実はこのコロナを経験したことで「タナクリーム」の新たらな効能が発見され、採用することにしました。
タナクリームの抗ウイルス性
鳥インフルエンザが発生した時に鶏舎の消毒で消石灰を散布している光景をニュースなどで見たことがあると思いますが、漆喰はこの消石灰が主成分となっているため高い抗ウイルス性能があると認知されています。しかし、市場で販売されている漆喰製品の中には消石灰がほとんど含まれていないものあるため、全ての漆喰に抗ウイルス性能があるとは言えません。
そこで田中石灰工業では、漆喰の抗ウイルス性能を検証するため、第三者機関に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を実際に用いたウイルス不活化試験を依頼しました。その結果、タナクリームを塗った壁がビニールクロスに対して2時間後には99.98%の活性不活化があることが確認されたということもあり、今回「タナクリーム #200プラス」を採用しました。
「タナクリームの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する活性不活化が確認されました」
セルロースナノファイバーを混ぜることでひび割れにくくなったタナクリーム
さらに今回タナクリームを採用した理由は、CNFというセルロースナノファイバーがタナクリームに配合されたということもあります。セルロースナノファイバーとは、直径が数百ナノメートル以下になるように微細化した食物繊維で、植物由来のため環境負荷が小さく、軽量で強度が強いため様々な素材の補強材として研究開発がなされている新しい素材です。
田中石灰工業がそのセルロースナノファイバーに着目し、セルロースナノファイバーをタナクリームに配合する研究を重ね、業界で初めて漆喰へのセルロースナノファイバー配合でヘアクラック(微小なひび割れ)の発生を抑制する技術として特許を取得したため、採用しました。
和室の壁には自然塗料のデュブロンを採用
以前の和室は、砂壁で薄暗い色でした。
和室としては落ち着いた昔ながらの色合いでしたが、床の一部をフローリングにしてクライアントはこの和室で過ごすことが多くなりそうだったため、白い壁にしました。その白い壁に採用したのが自然塗料のデュブロンです。
室内用天然水性エマルション塗料、デュブロン
室内用天然水性エマルション塗料のデュブロンは、マットな仕上がりの漆喰調水性塗料で、機能としては、静電気防止効果があり、埃の発生防止効果があります。また、透湿性と呼吸性がよく快適な室内空間を作ってくれます。
自然塗料となると汚れが気になるかもしれませんが、壁が汚れた時には重ねて塗装ができ、さらに天然鉱物顔料を混ぜることにより色を変更することもできます。
このデュブロンで薄いグレーにしたのが江戸川の家1(ノームコアな家)です。
「DIYで壁と天井に天然塗料デュブロンを塗装~江戸川の家1(ノームコアな家) Project Vol.06~」
千葉県松戸市の耐震診断改修費の補助金を採用
こちらは松戸市の耐震診断と耐震改修費の補助金を活用して改修しています。
「木造住宅の耐震診断費と耐震改修費の補助金による耐震改修と断熱改修〜松戸の家6(つぐ家1)Project Vol.05〜」
今回タッグを組む工務店、有限会社タケワキ住宅建設
今回共に家づくりをするのは、千葉県松戸市に会社を構える「有限会社タケワキ住宅建設」さんです。会社の設立は1972年。タケワキ住宅建設さんは、以前知り合いの建築家さんの内覧会で紹介していただた工務店で、その家の雰囲気が温かったという感覚を覚えていたのと、会社が同じ松戸市でさらに今回のプロジェクトの現場の近くの工務店ということもあり、初めてですが家づくりをお願いしました。
タケワキ住宅建設さんはOMソーラーを取り入れた住宅を設計施行されているということもあり、自然素材の扱いに慣れており、また設計事務所とも多く仕事をされているので、経験・知識・引き出しが豊富な工務店です。
タケワキ住宅建設さんとの家づくりは今回で2回目となります。
初めての家づくりは「松戸の家5(増築の家)」。こちらの家づくりを通して、社長兼現場監督の竹脇さんの人柄を知ることができましたし、大工さんの技術も知ることができ、また一緒に仕事をさせていただきたいと思っている工務店さんです。
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