漆喰塗りが始まった現場
千葉県柏市の新築住宅のプロジェクトでは、外部の養生が外され外壁の板張りが見えるようになりました。今回の板張りは、鎧張りという張り方で、板を横に張るのですが、上の段の板が下の段の板の上に少しだけ重なり、板が斜めになるように張ります。そうすことで、上の段の影ができ、陰影が生まれ、通常の板張りより表情が出ます。
そして、内部では仕上工事が進んでおり、2階の天井に漆喰が塗られ始めました。
天井が白くなっただけで印象が変わります。
下の写真が漆喰が塗られる前の現場で、上の写真のように天井が白くなるだけで、南の大開口の窓からの光が反射して、明るい空間になってきました。
今回の漆喰は、建主と一緒に訪れた高知県の石灰を主原料としたタナクリームを塗ります。
石灰岩を焼いたものが生石灰で、これを水と反応させることでできるクリーム状のものが生石灰クリームです。
この生石灰クリームを作っている工場を、建主と一緒に訪れた記事については、下記リンクから工場の様子などを見ることができます。
「タナクリームと土佐漆喰(とさしっくい)の工場見学」
こちらの記事にはタナクリームの機能のことなども書いてあるので、自然素材に興味がある方は是非!
2階がリビングで天井を高くして開放的な空間にして欲しいという要望があり、天井高は3.5mほどあります。そのため、天井に漆喰を塗るには足場が必要。
住宅で内部に足場が組まれることは、吹き抜けがないと滅多にないと思いますが、足場がある現場の風景が個人的に好きです。
足場がある風景というか、そもそも現場の風景が好きなんですけどね。
1階の仕上
1階の仕上は、ほぼシナ合板の仕上となっています。
このシナ合板の仕上は、以前設計をさせていただいた松戸の家3(ゲルのある家)で大体的に採用しました。
その松戸の家はこちらからどうぞ。
「松戸の家3(ゲルのある家)」
シナ合板で最も気を使うのは、目地の通し方です。シナ合板1枚1枚をぴったりと突き合わせて張る方法と、間を開けて張る方法があり、弊社では間を開けて張る目透かし張りを採用することが多いです。
理由は、目地がはっきりした方が壁にリズムが生まれるのと、弊社では天井高を低く設計しているのですが、目地を通す高さによって天井の低さを感じさせないよう設計しています。
天井の高さや、目地のデザインについては、写真などでは伝わらないと思いますが、オープンハウスを開催しますので、ぜひ参加して体験していただければと思います。
オープンハウスの予定
柏の家2(回遊する家)Projectでは、建主に引き渡す前に中を見学できるオープンハウス(内覧会)を開催する予定と前回のBlogでも書いてますが、日程としては6月27日(土)と28日(日)の2日間開催する予定で、日程が決まればこちらHPや下記の弊社のSNSで告知をしますので、随時チェックしていただければと思います。
前回の構造見学会では間取りの評判がよく、なぜこのProjectの副題が「回遊する家」なのか、見学していただけるとよくわかると思います。
「家事動線が好評だった見学会〜柏の家2(回遊する家) Project Vol.09〜」
建築設計事務所のSNS
弊社のSNSでは、HPの載せている写真以外の写真やイベントの情報などをアップしているので、時間があるときにチェックしていただけると幸いです。
弊社に興味を持ってくれてフォローしていただけると、いち早くイベント情報などを届けることができますので、ぜひフォローをお願い致します。
一緒に家づくりをする工務店、株式会社助川工務店
柏の家2(回遊する家)の家づくりを一緒に進めてくれるのは、千葉県柏市にある工務店、「株式会社助川工務店」さんです。
明治20年創業の老舗の工務店。
西暦だと1887年に創業されています。
そうなると、今年の2019年で132年。
助川工務店さんとは、今まで
松戸の家3(ゲルのある家)
松戸の診療所(無垢な診療所)
我孫子の家1(路地裏のある家)
と3つの仕事を一緒にさせてもらっています。
今はだいぶ寺社の仕事が少なくなっているようですが、昔は宮大工としても職人仕事をされていて、昭和61年(1986)に三代目の助川秋蔵さんが、労働大臣より 「現代の名工」 として卓越技能賞受賞されています。
自社設計施工をしながら設計事務所とも多く仕事をされてますし、自社大工を育ている工務店で、経験・知識・引き出しが豊富な工務店だと、いつも一緒に仕事をしながら感じます。