2007年3月16日 ポルトガル/リスボン
天気は晴れ。
この日撮影したのは、411枚。
使ったお金は、€1.50(¥155.09(七十七銀行参照))。
朝からリスボン万博が開催された国際公園を見て回った。思っていたより面白い建築があって良かった。
アルヴァロ・シザの白の建築はやっぱり白はいいな。光をうまく照らす。そして、メインのプレキャストコンクリートの大きなタープのような屋根は、実際に見ると凄い。コンクリートなので相当重いはずなのに、かなりのスパンを飛ばしている。他にはレストランや集合住宅もよかった。本には載っていなかった建築だけに、見っけもんだった。でも、1カ所にいい建築が集まっていると疲れる。何が疲れるかと言うと、目と頭。見落とさないようにいろいろ見て、頭の中で立体に考える。これが凄い疲れる。頭が疲れて甘い物が食べたくなるんだよね。
(※最初は旅をしていた時の日記の感想をそのまま書いています。)
リスボンで泊まった宿については、リスボン初日の記事に記載してあるのでそちらをどうぞ。
「Grand Tour 2007 回顧録 ポルトガル/リスボン Part-1」
リスボン2日目に訪れた場所。
・Expo'98 PORTUGAL
ヴァスコ・ダ・ガマのインド航路発見500周年を記念して、1998年に「大洋、未来への遺産」をテーマにリスボン万国博覧会が開催され、その開催跡地を活用したのが国際公園。この国際公園はリスボンの新しい顔となっているらしいです。この国際公園の最寄駅とポルトガルパビリオンを見たくてポルトガルのリスボンを訪れた理由です。
Gare do Oriente(オリエンテ駅 )
設計は Santiago Calatrava(サンティアゴ・カラトラバ)
建設年は、1998年。
リスボンの市内から国際公園の最寄り駅であるオリエンテ駅まで地下鉄で向かいました。オリエンテ駅の開業はリスボン万博に合わせて1998年に開業。
駅に着き地上に上がっていくとこのSFのようなコンコース。このオリエンテ駅を訪れたときに、すぐにスターウォーズを思い出しました。
さらに地上階に出るとこの構造美です。建築でいうデザインを意匠と言います、意匠と構造が一体になった構造美は設計のサンティアゴ・カラトラバの特徴です。
サンティアゴ・カラトラバは、スペイン出身の構造家・建築家です。意匠だけではなく構造も設計できるため、
このように意匠と構造が一体となった美しい建築を設計できる理由だと思います。
階段の側桁を建築の構造として、機能・構造・意匠が1つのデザインにまとまっている無駄のない建築。
駅の外に出るとサンティアゴ・カラトラバの繊細なデザインが伝わってくるエントランスのキャノピー。
この美しいキャノピーが連続するターミナルは、スターウォーズの戦艦が横に並んでいるようです。
そして駅のホームは木々のような鉄骨の柱が連なり、そこにガラスを掛ける天蓋構造となっています。
夜はこの屋根をライトアップされるそうで、そのシーンを見ていないのが悔やまれます。
この記事を書きながら旭川駅を思い出しましたが、内藤廣さんも構造と意匠が美しい建築家で、その事務所に短い期間でも修行させていただけたことは、感謝しきれない思いです。
「ペーパーウッドを訪ねて、旭川2日目」
内藤さんの建築を改めてちゃんと勉強しなければとずっと思っていたが、この記事を書いて、サンティアゴ・カラトラバも勉強したいと思っていたことを思い出してしまった。
オリエンテ駅と繋がっている「ヴァスコ・ダ・ガマ ショッピングセンター」もサンティアゴ・カラトラバの設計らしいです。
EXPO'98 South Gate Tower(EXPO'98サウス・ゲート・タワー)
設計は Manuel Graça Dias & Egas José Vieira(マヌエル・グラサ・ディアス & エガス・ジョゼ・フィエイラ)
建設年は、1998年。
もともと化学工場の「クラッキング・タワー(分解棟)」であったこのタワーは、廃棄寸前でした。その廃棄寸前だったタワーをアーバン・リサイクルの見地からこのタワーは、屋上に新しくバート展望台が設置され再活用されている。
底層部には円形のバルコニーを付加し、そこに至るベデストリアン・アクセス・ランプがタワーを取り巻き、緩やかなカーブを描いて反対側に行くことができます。
この底層部を取り巻く乳白色のガラス張りのベデストリアン・ブリッジは、夜間照明によって白い蛍光色の光を放つそうです。(引用:ヨーロッパ建築案内1)
Pavilhão do Conhecimento dos Mares(海の知識館 )
設計は João Luís Carrilho da Graça(ジョアン・ルイス・カリーリョ・ダ・グラサ)
建設年は、1998年。
パビリオン内にあるリスボンの建築家のジョアン・ルイス・カリーリョ・ダ・グラサ設計の「海の知識館」。
コンクリートの壁にある丸い跡(Pコン)が目立たない、コンクリートの壁のような「海の知識館」。
マッシヴな塊のコンクリートの戦艦から出てきたような階段。この建物と一体となった階段の存在感はとっても印象に残っています。
しかし、よく見るとトラバーチンのような石を加工して作った手すりのディテールがヒューマンスケールで柔らかさを感じました。
中に入っていないのでどのようになっているかわからないのですが、このキャンティレバーの木造の梁で支えている上部のボリュームが気になっています。
中に入るには中庭あるスロープを登っていくとあり、コンクリートの塊の中にあるこの中庭が、外部を閉ざし内省するための空間のように感じました。
Lisbon(リスボン)で気になった建築
国際公園の周りには気になる建築たくさんありました。
この建物はガンダムのホワイトベースのようで、その外壁のデザインにどのような意味を持たせているのか気になった建物です。
この3つの建築は、同じディテールが繰り返し使われている外観でしたが、ボリュームも同じで、単純な箱にくり貫いた空間を作るというデザインリソースも同じで、そのせいか統一感がある建築群でした。
次の建物は集合住宅で、この建物は本に載っていない建物で誰が設計したかわかりませんが、私のお気に入りの建築でした。
外観は同じ窓が繰り返されているだけで単調な建物でしたが、ここに入るためには一度狭い空間(階段)を通らなければいけません。
その階段の手摺。
この手摺はスチールでシンプルなデザインでした。この手摺であればどこかで使えそうですが、何よりこのこの手摺を止めているボルトの頭が好きです。家具でもビスの頭が十字かマイナスかでもイメージが違うので、ビスの頭選びはとっても大切だと思っています。
そして、階段を上がるとこの中庭に出ます。
中庭には芝生が張られていて外からでは想像できなかった気持ちい空間でした。3月だったので樹木が落葉していますが、春になって木々に葉がついたらもっと気持ちがいい空間になると思います。
芝生は平らな単調ではなく、凸凹がある芝生で、この芝生で座るときは凸凹の部分に座るのかなとか、子供達はこの凸凹を楽しんで走り回るのかなとか、イメージが湧いてくる中庭で、参考にしたい空間でした。
Lisbon(リスボン)で気になった風景
国際公園を歩いていると幼稚園ぐらいの子供達がいて、木陰で休憩していました。
その休憩の時にバナナを食べている姿を見て、おそらく日本ではこうゆう光景を見ないし、可愛らしくて思わずカメラを剥けてしまった1枚です。
国際公園での写真は全部で411枚撮っており、この時点でまだ半分です。撮った枚数が多いためこのリスボン2日目は2回に分けて記事にしたいので、今回はここまで。次の記事で、お目手当の私の好きな建築家設計の「ポルトガルパビリオン」について触れます。
Grand Tour(建築の旅)に出た理由
なぜ、ヨーロッパの建築を見て回る旅、Grand Tourに出たか。
その理由は、こちらのブログに書いたので読んでみてください。
建築の大学を出ていない者が「建築家」に憧れヨーロッパを旅した日々
これまでのGrand Tour(建築の旅)2007
これまでのGrand Tourの記事はこちらから
「Grand Tour 2007 回顧録」
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