土佐材産地見学ツアー1日目
土佐材産地見学ツアーには、現在基本設計を進めせさせていただいる柏の家(回遊する家)の建て主家族と1泊2日で参加してきました。
1泊2日という日程だったので、朝7時代の飛行機に乗り、高知に向かいました。フライト時間、約1時間30分で高知の空港、高知龍馬空港に到着し、予約していたレンタカーを手配し、今回のツアーを手配してくれた現地の方と落ち合うために、高知木材センターに向かいました。
今回のツアーを手配してくれたのは、「協同組合 高知木材センター」の田中さんです。
「高知木材センター」は新しい形の木材流通拠点としてスタートしました。県内の木材を一括して管理し、流通の効率化をはかり、高知県内に事業所のある木材・木製品の生産・加工、又は販売を行なっています。
協同組合 高知木材センター
https://kochi-mokuzai.com/
土佐材産地見学ツアー開始
高知龍馬空港から高知市仁井田にある高知木材センターに到着。
この日が月曜日で、ちょうど木材の競り市を行なっているということで到着してすぐに原木市場を見学する予定だったんですが、飛行機の離陸が遅れ、到着が遅れてしまったため、残念ながら競りをやっている風景を見学することはできませんでした。
まだ競り市を見たことなかったので見たかったですが、高知木材センターの周辺の高知プレカットや人工乾燥機などを見学させてもらいました。
これが人工乾燥機です。
この中に木材を入れ、高温で木材の水分を取り除きます。
木の乾燥には、伐採した後に葉を付けたまま林地に放置しておく「葉がらし乾燥」と、乾燥室の中で高温蒸気によって乾燥させる「高温乾燥」があります。今は、コストなどを考えると、人工乾燥の木材が主流となっています。
日本にまだ2台しかない5軸加工機。
この加工機があれば、今までの加工機ではできなかった加工ができるようになるとのことです。
プレカットが始まったことで職人さんの仕事が奪われるという心配はあったと思いますが、今の日本をのことを考えると機械化は必須だと思います。
製材された木が並ぶ倉庫。
とってもいい香りだし、製材された木を見ていると気持ちが落ち着き触りたくなる。嗅覚にも、視覚にも、触感にも訴えてくる場所です。
節が有る無しで木の値段は変わります。
正しく枝落としをしてあげると節が出ない木が育ちますが、そのためには多大なる労力が必要です。
それなのに、木の値段は安い。
最後に近くの原木市場を見学させていただきました。
おじいちゃんの代から植林をして、代々育ててきた約80年ほどの原木。
手間暇かけ育て、この1本の木を育てるためにその周りの木を急な斜面で間伐し、木が育ったら伐採し、山からおろしてきて、ここに並んでいます。
それなのに、この原木市場で売られる価格は数万円ほど。
市場(しじょう)に出る頃には、運送費などが加わるため、この丸太を製材して何本かに木取りし、その1枚、1本の木が数万円になります。
この最後のところで数万円になるため、原木市場では安い価格で売買されています。
安いことは嬉しいことではありますが、木を育てる経費、伐採する経費、山から木を下ろす経費、市場で売ってもらう経費などを差し引くと、林家さんのところにはほとんど残りません。
そのため、山に関わる人が減ってしまうのです。
この問題をどうにかしないと、山の担い手がいなくなってしまうのではないかと心配しています。
山をちゃんと管理する人がいなければ、外資に山が買われてしまうし、土砂崩れなどで災害が起こりますし、山のミネラル分が海に届かなければ海が荒れてしまいます。
山のことを考えるようになってから、私たちが「綺麗」だと思っている景色の裏では、多くの人の支えがあって成り立っているんだなと、考えるようになりました。
この続きは、次の記事で書きますね。