初の試みのFRP仕上げのお風呂
最近、建築家が設計した住宅で真っ白なお風呂を見ることが多くなったなと思います。
住宅を建てる方や建築が好きな方がよく観ているTV番組といえば、「渡辺篤史の建物探訪」ではないでしょうか。建築家と一緒に家づくりをした建て主のお宅を訪問する29年も続いている長寿番組で、独特の家が毎週紹介されており、そのお風呂によく出てくるのが真っ白なお風呂で、目の肥えた渡辺さんは真っ白なお風呂と質感を見て、「仕上げはFRPですね。」と言い当てるほど、よくFRP防水で仕上げたお風呂が出てきます。
今回の松戸の家4(FLAT HOUSE)では、このFRP防水で仕上げた、つなぎ目のない、スッキリしたお風呂を設計しました。
FRP防水のFRPとは?
FRPとは略称で、正式名は「Fiberglass Reinforced Plastics」といい、「繊維強化プラスチック」です。FRPの家具は?という質問にピンと来る方は、家具好きな方ですね。
ミッドセンチュリーの家具で有名なEamsを作ったイームズ夫妻は、成形合板での家具の製作をしていましたが、大量生産が難しく、そこで当時新素材であったFRPを使い製品化をしました。
うちの事務所にも置いてある白いロッキングチェアがArm Shell Chairで、昔はFRPで作ったShell Chairが主流でしたが、今はプラスチックで作られたShell Chairをよく見かけます。
FRP防水とは?
FRP防水とは、液状の不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を加えて混合したものを、細いガラス繊維のマットみたいになった補強材と組み合わせて一体にした塗膜防水です。そのため、仕上がった防水層は、継ぎ目がなくシームレスな層となり、優れた防水性能を発揮します。
この「継ぎ目がなくシームレスな層」というのが、建築家が好きな利用かもしれません。
FRP防水の特性
FRP防水の特性は、防水層は軽量だが強度があり、耐熱性・耐食性・耐候性・耐水性・成形性が優れているなど多くの特性があるため、建築ではバルコニーの防水などに使われたり、バスタブや船舶や自動車等にとして広く使用されています。ただ、臭いが強いため、住宅街の現場などでは近隣のことも配慮しながら工事をした方がいいと思います。
FRP防水の工事風景
上述した優れた特性を持っているFRP防水ですが、工事は下地から注意をすることが多くあります。防水工事なので注意を払うことはもちろんですが、設計の段階からどのように防水されるかを考えながら設計しないと、見え方・デザイン性に影響してきます。
下地は合板で作っていますが、その入隅と出隅には注意が必要です。下地が出来上がったところで、FRP防水の下地となるプライマーを塗り、その上にFRP防水の下地を塗ります。
FRP防水の下地が塗り終わったら、ガラスマットを敷き込み、その上にFRP防水を塗り重ね、最後にトップコートを塗り完了です。
出来上がったFRP防水のお風呂がこちらです。
真っ白なシームレスなお風呂が出来上がり、ハイサイドライトからの光により陰影が生まれるスッキリしつつ、光によって表情を変える浴室が出来上がりました。
今回タッグを組んだ工務店、株式会社 持井工務店。
松戸の家4(FLAT HOUSE)で一緒に仕事をさせていただいているのは、千葉県船橋市に会社を構える「株式会社持井工務店」さんです。
会社の設立は昭和43年ですが、創業は大正13年と老舗の工務店。
見積をお願いする前に工場を見学させていただきましたが、木に対する思いを感じ、さらに自社で大工を抱え職人の育成もされている工務店。自社設計施工をしながら、設計事務所とも多く仕事をされているので、経験・知識・引き出しが豊富な工務店で、現場が進むにつれ、細かい納まりの打ち合わせをすることが多くなってきてからは、図面では表現仕切れない部分などを先回りして質疑をあげてくれますし、現場監督の方は、現場管理という立場と自らも設計者という視点から多くのことに目配りとこだわりを持って監督をしていただけているので、非常に助かっています!
工事金額の見積の時には相見積を要望する方が多いですが、私は見積と職人技術は比例すると考えているので、「見積金額だけでは判断できませんよ」と伝えるようにしています。
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