塗装職人による、内部の仕上げが始まる
千葉県松戸市で進んでいる新築住宅、松戸の家4(FLAT HOUSE)の現場で塗装職人による塗装が始まりました。
今回の内部の仕上げは、ペンキによる塗装です。
当初は天然ペイントなどを考えていたのですが、建て主と試行錯誤を、今回は全ての壁と天井をペンキで塗装することに
しました。
内装の最初は、構造や部屋の間仕切りの柱が立ち、電気などの配線をし、そこに石膏ボードで天井や壁を塞いでいくので、黄土色の内装になります。
その上に仕上げのペンキを塗装するためには、石膏ボードの間や石膏ボードを止めるビスの穴にパテをつめ、フラットにします。
今回は窓や扉の枠を作らない納まりにしているので、壁が途切れることがないため、角の出隅などが多く、その出隅なども綺麗に塗装できるようにパテで処理をします。
上の写真の左側に棚があるのですが、その上に実際に塗るペンキの色で塗装したサンプルがあります。
1つの色でも、艶有り、5分艶、3分艶、艶無しにより表情が変わるため、壁を塗る前に艶をわけた塗りサンプルを作ってもらいました。
パテ処理が終わると、今度はそのパテをフラットにする作業に入ります。
パテを塗ると多少の凸凹ができ、仕上げがペンキになると、下地の凸凹には注意が必要です。
ペンキは漆喰とは違って厚さがないので、下地の凸凹を拾ってしまいその凸凹がペンキの仕上になってしまい、フラットな表情ができません。
そのため、パテを塗ったらそのパテが石膏ボードとフラットになるようにヤスリがけをして削っていくのです。
このヤスリがけは地味な作業ではあるのですが、粉まみれになりますし、結構大変な作業です。
でもこの作業が本当に大切だと思います。
こうゆう作業は、出来上がった建築物では見えない部分ですが、
こういった見えない部分が積み重なっていい建築ができるので、
建て主も、建築家も、多くの職人によって支えられています。
パテ処理が終わると、いよいよ塗装。
というわけではなく、すぐに石膏ボードの上にペンキを塗れるわけではありません。
塗料の吸い込みを抑えるために、シーラーという下地材を塗ります。
合板などに塗る場合は、アク止めのシーラーを塗りますが、今回は石膏ボードなので吸い込み防止のためのシーラーを
塗ります。
窓を隠すウエスタンレッドシダー(米杉)の塀
外部では目隠し塀が取り付けられていました。
松戸の家4(FLAT HOUSE)の正面は、建て主の希望で外部から窓を見せたくないが、明るい家にしてほしいという
希望があったので、道路側の窓と中庭に目隠し塀をつけるように設計しました。
その目隠しの塀の材に、コストを考えて当初は2ヶ所の目隠し塀を熱処理をした材で設計していましたが、
持井工務店さんからウエスタンレッドシダー(米杉)を使ってはと提案があり、最も目立つ道路側の目隠し塀だけウエスタンレッドシダー(米杉)で
作ることにしました。
では、ウエスタンレッドシダー(米杉)とは?
目隠し塀に使うウエスタンレッドシダー(米杉)の特徴〜松戸の家4(FLAT HOUSE) Project Vol.30〜
今回タッグを組んだ工務店、株式会社 持井工務店。
松戸の家4(FLAT HOUSE)で一緒に仕事をさせていただいているのは、千葉県船橋市に会社を構える「株式会社持井工務店」さんです。
会社の設立は昭和43年ですが、創業は大正13年と老舗の工務店。
見積をお願いする前に工場を見学させていただきましたが、木に対する思いを感じ、さらに自社で大工を抱え職人の育成もされている工務店。
自社設計施工をしながら、設計事務所とも多く仕事をされているので、経験・知識・引き出しが豊富な工務店で、
現場が進むにつれ、細かい納まりの打ち合わせをすることが多くなってきてからは、図面では表現仕切れない部分などを先回りして質疑をあげてくれますし、
現場監督の方は、現場管理という立場と自らも設計者という視点から多くのことに目配りとこだわりを持って監督をしていただけているので、非常に助かっています!
工事金額の見積の時には相見積を要望する方が多いですが、私は見積と職人技術は比例すると考えているので、
「見積金額だけでは判断できませんよ」と伝えるようにしています。