One Table Project

One Tableが千葉県建築文化賞で入賞に選ばれました!

千葉県松戸市の八柱から常盤平を経て五香までの約3kmにわたって桜のトンネルが続いています。
その桜並木が昭和62年に「日本の道百選」に指定されました。

八柱駅方面からみるさくら通り

日本の道百選とは、8月10日の道の日の制定を記念して、1986年度・1987年度に、当時の建設省(現国土交通省)と「道の日」実行委員会により制定された、日本の特色ある優れた道路で、地域の人々に親しまれている道路であるかが最大の選定基準となっており、景観に優ることや周辺環境と調和することも選定基準の一つとなっているところから、その地域のシンボルロードであることが多い。

選定基準は、
・歴史を語る、永く守っていきたい道路(歴史性)
・地域の内外から親しまれ愛されている道路(親愛性)
・優れた環境のもとで美しい景観を持つ道路(美観性)
・周辺環境と調和し、機能と活力にあふれた道路(機動性)

その、日本の道百選に選ばれているさくら通りに、人が集まる場所として作ったカフェがOne Tableです。

設計事務所が、副業としてカフェを経営したくて作ったカフェではありません。
有事の時にはコミュニティの協力が必要だと考えるようになり、普段から人が集まれる場を創りたくて、One Tableをはじめました。

One Tableを創るきっかけ

One Tableを創りたいと考えたきっかけは、2つの体験があります。
1つは、2011年3月11日の東日本大震災。
災害を通じて感じたのは、有事の際に建築家ができることはなく、デザイン性に優れたハード(建築)を作るより、ソフト(コミュニティ)の重要性でした。

2014年3月11日 宮城県石巻市の日和山公園から

有事の際に強い力を発揮するコミュニティをどう作れるか。
また、震災を通して日本の社会問題を多くしり、その問題の1つ、シャッター商店街が増え、活気・景観を損ねていることにどう対策が取れるか。
そこで、まずは、私自身が1つでもシャッターを開け明かりを灯すこと、コミュニティに近い環境に身を置く必要があると考え、路面に事務所を構えるということを前提にテナント探しを始めました。
事務所を路面にすることで、近所の方と顔見知りになり、挨拶を交わすようになり、立ち話をするようにはなったのです。

しかし、それだけではある特定の人としか話すことができない状態で、もっと多くの人と交流し、出会った人のネットワークが広がっていく場所が必要だなと思いました。

もう1つは、大学生の時にオーストラリアに留学した時と、ヨーロッパの建築を見て回っていた時に、海外の友達に日本のことをうまく説明ができず、自分は日本のことを知らなすぎると、痛感しました。
それから、日本のことをもっと知りたいと思い始めました。

建築の大学を出ていない者が「建築家」に憧れヨーロッパを旅した日々

東日本大震災を通じて日本の社会問題が多くあることを知り、中山間離島地域の現状や伝統文化、コミュニティについて調べるようになりました。
コミュニティデザインが実践されている各地を尋ねると、何かの縁がなければ一生訪れることがないような各地を訪れる中で、日本の綺麗な景色や美味しい食事を知ることにより、単にSNSで発信するだけはなく、食べ物を通して地域を知ってもらい、そこから興味を持ってくれた人が実際にその地域を訪れてくれる、関係人口を増やすことをしたいなと思うようになり、情報が溜まり、その情報をもとにいろいろな人たちが繋がっていく“場”を創りたいと考えるようになりました。

ふるさとという最前線

しかし、コミュニティを強く推し出すと、コミュニティに片寄った場所になってしまう。
そこで考えたのが、STARBUCKSでのアルバイトの経験でした。
不特定の人がコーヒーを飲みに来て、常連客とは短い時間でもたわいもない話をする。
コーヒーを媒体とすることで色々な人が訪れてくれるだろうし、“場”に興味を持ってくれる人の間口を広げることができるだろうと考えました。

そんなことをずっと考えていると事務所の並びのお好み焼き屋さんが閉店することになったので、それを機に“場”作りが一気に進みました。

One Tableの前のお店、HATOさん

曜日ごとに変わるOne Table

One Tableオープン当初は、週に2日しか開いていませんでした。
そこで、他の空いている日を有効に活用したいと考え、いつかは飲食店で独立を考えている人がいきなり大きな費用をかけて独立するよりは、週に1日、自分の屋号で挑戦してもらう場として活用してもらうことを考えました。
今では全ての曜日が埋まるほど多くの人に興味を持ってもらい、全曜日で別々の店主が自分たちの屋号でOne Tableで活動してくれています。

お店の運営方法を各曜日の店主同士で相談しながら、知識や情報をシェアできているのは、1人でお店を構えた時にはなかなかできないことだと思います。

また、各曜日の店主が他の曜日を紹介することで、各曜日のお客さん(コミュニティ)がシャッフルされることも考えています。
月曜日の店主のお客さん(コミュニティ)、
火曜日の店主のお客さん(コミュニティ)、
水曜日の店主のお客さん(コミュニティ)、
木曜日の店主のお客さん(コミュニティ)、
金曜日の店主のお客さん(コミュニティ)、
土曜日の店主のお客さん(コミュニティ)、
日曜日の店主のお客さん(コミュニティ)、
それぞれのお客さん(コミュニティ)が他の曜日にも興味を持ってもらえるお店として、One Tableという“場”は優れていると思います。

One Tableの卒業生

今まで、5つの店主がOne Tableを卒業している。
その5店主の内、4店主は自分でお店を構えたり、お店は構えずとも活動範囲を広げたりして活動を続けている。

One Tableの活動がきっかけで、やりたかったことに挑戦でき、その活動が続くことで、活気の輪が広がっている。

作り手×One Table×お客

One Tableでは、八柱や松戸、柏のお店から、遠くは広島県三原市から食材などを仕入れています。

SLOWCOFFEEさんや近所のMOKICHI珈琲さんからはコーヒー豆を。
松戸駅近くのBoulangerie La Masiaさんからはバケットを。
近所のマルサン堂さんからは食パンを。
柏の藤ヶ谷にあるむこたまさんからは卵を
広島県三原市の瀬戸内海にある佐木島からは、島民が島のみかんで作ったみかんジャムを仕入れています。

その食材などをお客さんに紹介することで、One Tableを介して、各お店に興味を持ってもらえるといいなと考えています。

今後はこの矢印をもっと多くし、One Tableに集まった情報・ネットワークを各曜日の店主たちとシェアしていきたいし、多くの人が繋がっていくシンボルの場としていきたいと考えています。

One Tableのコンセプト

つくるひとと、たべるひとが、つながる、ひとつの食卓。
団らんの時間の中で、食、地域、カルチャー、コト、モノ、アイデアが交わり、
新たな価値が生まれる場所。
No Coffee, No Life.

One Tableのこと

One Tableを立ち上げるまで考えていたこと
千葉県松戸市の八柱のさくら通り沿いでOne Table Projectが始動!! 〜One Table Project Vol.01〜

One TableのインタビューBlog
One Tableについて取材してもらいました!

One Tableをやめる決断
After One Table〜One Tableの後のこと〜

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