熱を可視化する(冬季シリーズ)
このプロジェクトの前回のブログでは、築年数が経っている断熱性能を可視化した写真を載せて、夏の既存公団の断熱性能について書きましたが、今回はその冬版です。
「既存公団(UR団地)の断熱性能を知ってほしい-夏版-〜松戸の家7(UR団地リノベーションの家1) Project Vol.02〜」
計測した器具は「FLIR Systems(フリアーシステムズ)」のスマートフォン用の赤外線カメラです。このFLIR Systems(フリアーシステムズ)についても、前回のブログで簡単に触れていますのでそちらを確認してみてください。
団地の断熱性能を可視化
今年はの冬の朝にFLIR(フリアーシステムズ)を使って室内の熱を可視化してみました。
この日の松戸市の最高気温は6.2℃、最低気温0.1℃。
撮影した時間は朝の7時頃。

この団地は階段の踊り場に玄関があるタイプで、こちらは玄関の写真。この時の外部の温度は1.0℃を下回っていました。その玄関を内部から計測すると、一番高い温度で7.8℃、一番低い場所で2.6℃。

こちらは南側の部屋の窓。窓の周辺の壁が赤くなっていてるので一見窓以外の場所は暖かそうに感じるかもしれませんが、最も温度が高いところで9.5℃で、一番低い温度は窓の框の部分で0.49℃。この部分を触っただけでも冷たいと感じるのが想像できます。

こちらも南側の部屋の窓。ここの最も高い温度は11.1℃で、一番低い温度は1.3℃。建主の方々には熱は窓から伝わるとよく伝えていますが、この写真がそのことをわかりやすく表してくれています。

それでは北側の窓どうでしょうか。ここの北側の窓でも最も高い温度は8.8℃で、一番低い温度は0.03℃でした。夜中に冷えた窓がその冷気を内部にコールドドラフトとして冷気を伝えてきます。
古い建物の断熱性
既存の団地はこのような状況です。何もしていない部屋はこのように外部の熱がコンクリートを冷やし、その熱が内部に伝わり輻射熱で内部を冷やします。この状態で内部で湯を沸かすなどして蒸気が出るとその蒸気が窓や壁に触れると結露を発生し、例えば棚などで風が通らない部分があるとそうゆう場所からカビが発生します。
また、エアコンなどで部屋を温めても外壁や窓は冷え切っているので温風を体で感じる場所にいないとなかなか温かさを感じることができず、その熱源の前から離れられなくなります。そのような温度差がある空間で温かい部屋から冷えた部屋(トイレなど)に行ったときにヒートショックが起きるのは想像ができます。このような空間は健康にも良くないですし、お財布にも地球にも優しくないので、断熱性能は耐震性能と同じぐらい大切な要素です。
「床の下地工事〜江戸川の家1(ノームコアな家) Project Vol.03〜」
こちらは、以前集合住宅をリノベーションした時の断熱材の状況です。
この記事を書きながら思ったこと
この記事を書きながら思ったことは、リノベーションされたマンションやアパート、リノベーションに限らず、新築の建売住宅などで内覧をして購入される方はいると思います。その内覧の時にはリノベーションされて綺麗にされた内装や目新しいキッチンやお風呂などに騙されないようにしてください。また夏や冬なら内覧をする前からつけられたエアコンにも騙されないようにしてください。夏や冬だったらエアコンをつけていない状況で見せてもらうことも必要かもしれません。
断熱材性能は見えない部分のため、断熱をしっかり取り組んでいる会社はアピールポイントで伝えてきますが、ローコストで見た目で誤魔化す会社はこちらから聞かないと教えてくれないと思います。
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