オープンハウス後の撮影
千葉県松戸市で進んでいる新築住宅のプロジェクトで、オープンハウスを終えた後、建て主に引き渡す前の空っぽの家を撮影しました。
撮影のために中に戻ると、思いもしなかった陽射しによる光のアートが起こっており、慌てて撮影を始めました!
松戸の家4(FLAT HOUSE)は、建て主の要望で今まで設計させていただいた住宅の中で、もっとも窓が少ない住宅です。
ダイニングキッチンには、中庭と西側にしか窓がなく、西側の窓の外側には窓を隠す目隠し塀を取り付けたので、そこまで日差しが内部までは入らないかなと思っていました。
目隠し塀のディテールで気をつけたのは、風が抜けることと視線を遮ること、その上で明かりも取り入れること。
目隠し塀の上から入ってきた西日がキッチンの蛇口を照らし、反射した光が壁と天井に弧を描いていました!
こういった偶然を自分が設計をした建築で見つけると、嬉しくなります。
床は、建て主からの要望でナラを使っています。
ここには、建て主が選んだソファーが置かれ、写真左側の壁にテレビが取り付けられるようになります。
他の場所の写真を撮っていると、太陽の高さが変わり、目隠し塀の狭い隙間から陽射しが入ってきました!
目隠し塀は道路側と部屋がわの両面に、斜めについてるので、板の隙間は非常に狭いです。
それでも、その隙間から陽射しが入ってきて、目隠し塀の影ができたことはとっても嬉しかったです。
影は刻々と形を変えるので、時の移ろいを感じることができ、私にとっては非常に大切なモノです。
松戸の家4(FLAT HOUSE)のキッチン
今回のキッチンは、今まで設計をさせていただいた中でも一番こだわって設計したキッチンです。
今回の住宅のプロジェクトでは、このキッチンを実現させるために基本設計を考えいてたと言っても過言ではないと思っています。
キッチンの仕上げには薄くモルタルがぬれるのに、ひび割れがほとんど発生しないモールテックスという材を使い、非常に素材感のあるキッチンができました。
キッチン背面には作り付けの収納棚を設計し、食器洗機が組み込まれています。
収納には、ナラの突き板を採用し、木の温もりが感じられるキッチンになりました。
キッチンの詳細は、すべてが完成したときにまたしたいと思いますが、オープンハウスでもこのキッチンは好評でした!
松戸の家4(FLAT HOUSE)の玄関
今回の住宅では、フローリングにナラ材を使っていることもあり、造作家具、下駄箱やキッチンの収納などの扉におナラ材を使いました。
玄関にデザインした、家具職人に作ってもらったオリジナルの下駄箱。
この下駄箱にある工夫をしました。
それは、ポスト。
今回は、ポストを玄関扉の、外壁につけることにしました。
建物に取り付ける理由は、門などにポストを取り付けると郵便物や新聞をわざわざ外に取りに行かないといけません。
雨の日も、冬の寒い日も、雪の日も。
そういったことを嫌がる建て主には、玄関扉の横に取り付けることをお勧めしています。
しかし、単に取り付けるわけではありません。
単にポストを取り付けるだけだと、ポストの隙間から冷気などが入ってくるので、自分だったら嫌だなと思い、玄関にある下駄箱の中にポストの口を取り付けるようにし、下駄箱の中に郵便物が貯まると同時に、冷気を下駄箱の扉で遮断することができ、さらに内部はスッキリします。
まだまだ語り足りない松戸の家4(FLAT HOUSE)の魅力
松戸の家4(FLAT HOUSE)は設計期間が長かったこともあり、紹介したい部分がまだまだあります。
今度は、完全に建物が完成し、建て主に引き渡す前の完全な状態で撮影をするので、その時に、語りきれない松戸の家4(FLAT HOUSE)の魅力をお伝えしたいと思います。
まだ前面道路の外構が終わってなかったのですが、ひとまず無事にオープンハウスを終えることができました!
今回タッグを組んだ工務店、株式会社 持井工務店。
松戸の家4(FLAT HOUSE)で一緒に仕事をさせていただいているのは、千葉県船橋市に会社を構える「株式会社持井工務店」さんです。会社の設立は昭和43年ですが、創業は大正13年と老舗の工務店。
見積をお願いする前に工場を見学させていただきましたが、木に対する思いを感じ、さらに自社で大工を抱え職人の育成もされている工務店。自社設計施工をしながら、設計事務所とも多く仕事をされているので、経験・知識・引き出しが豊富な工務店で、現場が進むにつれ、細かい納まりの打ち合わせをすることが多くなってきてからは、図面では表現仕切れない部分などを先回りして質疑をあげてくれますし、現場監督の方は、現場管理という立場と自らも設計者という視点から多くのことに目配りとこだわりを持って監督をしていただけているので、非常に助かっています!
工事金額の見積の時には相見積を要望する方が多いですが、私は見積と職人技術は比例すると考えているので、「見積金額だけでは判断できませんよ」と伝えるようにしています。