新築住宅では初めての吹付断熱材
愛知県名古屋市で進んでいる新築住宅は、独立して初めての長期優良住宅対応の住宅として設計しました。下積み時代には2件ほど長期優良住宅の設計をしましたが、あれから10年近く経っており省エネに対する考え方がかなり変わっているので設計が大変でした。
省エネ基準や今回の省エネルギー性については、以前の記事で確認ができます。
「長期優良住宅等の申請が完了〜名古屋の家1(対峙しない家) Project Vol.10〜」
上記のリンク先にも書いてありますが、この住宅では、
外皮平均熱貫流率:0.87W/㎡・K以下≧設計仕様「0.48W/㎡・K」
冷房期の平均日射熱取得率:2.8%以下≧設計仕様「1.6%」
と愛知県名古屋市の基準を大幅に下回る省エネ性能の住宅となっています。
話は逸れますが、現場に行くとアプローチからの見え方がお気に入りです。写真の手前のコンクリートの壁はお隣の敷地の擁壁なんですが、コンクリート越しに見るこのアングルがお気に入りです。もうそろそろ隣の敷地でも工事が始まるとのことなので、隣の家の工事が始まるとこのアングルからの写真は撮れなくなるかもしれません。
この屋根が連なるのが見えるアングルもお気に入りなので明日が、このアングルもそろそろ写真が撮れなくなりそうです。
断熱材の話に戻して。
長期優良住宅の基準をクリアするために選んだ断熱材は、吹き付ける断熱材、吹付硬質ウレタンフォームを採用しました。
吹付け硬質ウレタンフォーム断熱材、MOCOフォーム
吹付け硬質ウレタンフォーム断熱材のMOCOフォームを採用した理由は、
・自己接着することにより、高い気密性能がある
・水を発泡剤に使うため、環境にやさしい
・高音域での遮音性が高い
・吹付け硬質ウレタンフォームでも調湿機能がある
・収縮性が小さい
・発がん性物質について、Group3に分類されている
これらの理由から選びました。
「MOCOフォームは自己接着することにより、高い気密性能がある」
一般的な断熱材は壁に取り付ける前に、コンセントボックスの位置に切欠きを入れるため寸法測定が必要ですが、吹付ウレタンフォームは、一吹付けするだけで躯体に接着するので安心で工期が短縮できますし、躯体の形状に合わせて膨らんでくるので、事前の寸法合わせの必要がなく手間がかかりません。
「MOCOフォームは水を発泡剤に使うため、環境にやさしい」
一般的なウレタンフォームはフロン類を使って発泡していますが、MOCOフォームは「水」を代替にして発泡するので環境にやさしく、体に安全です。とは言っても、体内に入っても安全というわけではないのでそのことをわかって選択してください。
「MOCOフォームは高音域での遮音性が高い」
壁体内にMOCOフォームを施工した場合と施工しなかった場合での空気音遮断性を比較すると、MOCOフォームの方が高音域での遮音性能が良いことがわかりました。
「MOCOフォームは吹付け硬質ウレタンフォームでも調湿機能がある」
MOCOフォームは、12時間強制的に加湿し続けた場合、6.5g/㎡の湿気を吸湿しますが、常温で12時間以上放置すると、ほとんど全て放湿します。
「MOCOフォームは収縮性が小さい」
施工直後は発熱で体積膨張しているので常温に戻る際、わずかな収縮はありますが、その後の変化はありません。
「MOCOフォームは発がん性物質について、Group3に分類されている」
IARC(国際がん研究機関)でGroup3に分類されていますが、Groupは6段階あります。
Group1:ヒトに対する発がん性が認められる
Group2:ヒトに対する発がん性があると考えられる
Group2A:ヒトに対する発がん性がおそらくある
Group2B:ヒトに対する発がん性が疑われる
Group3:ヒトに対する発がん性が分類できない
Group4:ヒトに対する発がん性がおそらくない
農林水産省のホームページに「国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん性分類について」というページがあったのでリンクを貼っておきます。
「国際がん研究機関(IARC)の概要とIARC発がん性分類について」
柏の家2(回遊する家)で、断熱材の種類についてまとめたことがあります。
「断熱材が入った現場〜柏の家2(回遊する家) Project Vol.12〜」
断熱材は天然のものから化学繊維のものまであり、それらのメリット・デメリットもあるので、少しずつ勉強していきたいと思います。
板張りと塗装
現場では外部の板張りも始まっています。板を張ってから塗装するのではなく、表も裏も塗装してから板を張ってくれているので、しっかりと隅々まで塗ってくれています。
外部ということもあり、経年変化なども考えて着色して塗装していますが、その塗料については次回のBlogで綴りたいと思います。
今回の家づくりのパートナーは株式会社ザイソウハウス
株式会社ザイソウハウスさんについては、下記の記事で紹介していますのでこちらをどうぞ。
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