耐久性を考えた木材、エステックウッド
エステックウッドのことは以前働いてた事務所で知りました。
エステックウッドは、熱処理をされた木材で、木材の中の水分を少なくすることにより外でも使える耐候性の高い木材のため、松戸の家4(FLAT HOUSE)の中庭の目隠し塀にエステックウッドを使いました。
外部、特にウッドデッキや塀に使うとなると耐候性が必要となり、今までは熱帯雨林や南洋の広葉樹であるイペやウリンなどの堅いハードウッドを使うことが一般的でしたが、最近は違法伐採などが多くそのハードウッドの資源の枯渇が危ぶまれています。
ハードウッドの産地では管理されて伐採されているわけではなく、求められれば売りたい現地の人々が天然林を伐採して輸入されているのです。
管理されていない資源はいつか枯渇します。
それは漁業でも同じなので、漁業であればニュースで放送されるのでイメージがつきやすいと思います。
そういった社会問題と国産材をもっと使っていこうということから、スギやヒノキを熱処理して耐久性を高めた材が、使われるようになってきています。
木材に関わる仕事をしているからこそ日本の山・木や木材のことを考え、こういったことを建て主に提案しながら伝えていきたいと思っています。
その材として、今回はエステックウッドを採用しました。
当初は中庭の塀も正面と同じ米杉(レッドシダー)を考えていたのですが、予算の兼ね合いもあり、中庭をエステックウッドにしました。
エステックウッドと米杉(ウエスタンレッドシダー)の大きな違いは、木目にあります。
米杉(ウエスタンレッドシダー)が人気なのは耐久性もありますが、一番は木目だと思います。まっすぐ通った木目はスギとは違い、和ぽさがありません。
米杉(ウエスタンレッドシダー)について書いたBlogもあるので、興味がある方は是非!
目隠し塀に使うウエスタンレッドシダー(米杉)の特徴〜松戸の家4(FLAT HOUSE) Project Vol.30〜
エステックウッドとは
エステックウッドは、宮城県で生まれた国産の特許技術「窒素加熱処理」で加工された熱処理木材で、Sendai Technologies Woodの略称です。
窒素加熱処理をすることで薬剤を一切使用せず、環境負荷が少ない無公害木材となる上に、「耐朽性」「耐水性」「保温」「防腐」「防虫」「形状安定性」と優れた特性があるんです。
エステックウッドの製造方法
伐採された木を製材し、人工乾燥の釜に入れ含水率を10〜15%に調整します。
そのあと、耐圧耐熱容器に木材を入れて容器内を窒素置換し、徐々に加熱。容器内の圧力を制御しながら、24〜72時間かけて用途により所定温度(180~220℃程度)まで上げます。その状態を維持し、木材を冷ましてから耐圧耐熱容器から取り出すと、熱処理後は含水率が0%ととなっており、空気中に放置しておいても低い平衡含水率を維持できます。
エステックウッドの特徴
1.高い安全性
一切の薬剤を使用せず窒素加熱処理だけですので、危険な有害物質が揮発する心配はありません。
江間忠木材株式会社
お年寄りや乳幼児、又ペットをお飼いの方にも安心してご利用いただけます。
2.驚異の防腐・防虫機能
木材の敵といえば腐朽菌やシロアリですが、エステック処理時に殺菌・殺虫が行われまた養分や水分の少ない状態(平衡含水率3%~7%)を維持できるため、菌類やシロアリにとっては魅力の薄い木材(食材)になっています。
江間忠木材株式会社
耐用年数が長く、毒性の高い薬剤処理材と同等の耐朽性が確認されています。
3.耐水性と寸法安定性に優れ、乾燥も速い
窒素加熱によって含水率が下がり軽量化するとともに、木材の細胞構造の変化により以下のような効果が得られます。
江間忠木材株式会社
- 多孔質化することで断熱効果が得られるようになり、ウッドデッキ・ルーバー・外壁材に適しています。
- 油性塗料の浸透性は通常の乾燥木材の1.5~2倍であることから、木材保護塗料の効果が長期間持続され退色を遅らせます。1年間の暴露試験の結果、色差は△E3となります。
- セミヘルロースの改質により湿気や結露等を保水しにくい構造になります(疎水化)。このため湿気による伸縮や歪みが少なく、床暖房用のフローリングでも保温効果と共に高い寸法安定性を発揮します(東京ガス・大阪ガス推奨品レベル)。
4.深みのある自然色と均一性
エステックウッド処理材は埋木(うもれぎ)の復元を目的に開発されたため、埋木(うもれぎ)の持つ深みのある色合いを再現することはもちろん、表面処理ではないのでどこをカットしてもほぼ均一な色と性質を維持しております。また、薬剤注入材ではできなかった切る・削るができるとても扱いやすい木材です。
江間忠木材株式会社
5.ヤニやアクが発生しない
加熱によりヤニは除去されているため、施工後に表面に出てきたり、また熱帯系エクステリア木材に見られるようにアクの流出によって周囲を汚してしまう心配は全くありません。
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