窓際に大谷石を敷いた打合せスペースを作る
事務所の間取りについては、以前のBlogで書きましたが、入口がある窓側に打合せスペースにします。
「自分のオフィスの間取り〜さくら通りのオフィス(外とつながるオフィス) Project Vol.02〜」
この石を敷いた打合せスペースは、地元の石材屋さんにお願いしたいと考え、市内の石材屋さんを探してみると、有限会社誠石材工業が目に止まり、早速連絡をして相談に伺いました。
そうしたら、快く引き受けてくれるということで、サンプルを取り寄せてもらいました。
打合せスペースに敷く石は、大谷石を敷くことは決まっていました。ただ、せっかくだから2種類以上の石を敷きたいと考えていて、理由としては、実際に打合せスペースにあることで、石を採用したいなと思ってもらえたらいいなと思ってます。石を採用するというのは、コスト的になかなか難しいとはわかっているのですが、石、特に凝灰岩はタイルにはない柔らかい雰囲気があると感じており、素材感がある仕上が入るだけでイメージは大きく変わります。
取り寄せてもらった石は、左から十和田石、大谷石、、丹波石、臼杵石の全て凝灰岩で、採用するのは大谷石と十和田石にすることにしました。
石の種類
石(石材・天然石材)一言で言っても、成り立ちの方法によって大きく3種類「火成岩」「堆積岩」「変成岩」に分類され、更に、これら3種類の中にも沢山の種類があります。
「火成岩」の中には、「火山岩(地表近く)」「半深成岩(中間)」「深成岩(地中深く)」の3種類があります。
「堆積岩」の中には、「石灰岩」「砂岩」「凝灰岩」「粘板岩」の4種類があります。
「変成岩」の中には、「大理石」「蛇紋岩」の2種類があります。
今回採用するのは、凝灰岩です。
石は非常に興味がある素材なので、改めてちゃんと勉強してまとめたいなと思っています。
凝灰岩の特徴
凝灰岩は、直径4mm以下の火山灰や火山砕粉屑物などが堆積して生成したもので、火山列島の日本では各地に分布しています。淡緑や灰色を基調に斑紋をもち、石肌はやさしく、水に濡れると色鮮やかな美しい色になります。一般的に軟質で加工性に富み、耐火性に優れています。強度が低く、吸水性も高いのですが、滑りにくいので浴室などの床材に向いています。
輸入材はほとんどなく、栃木県の大谷石、静岡県の伊豆青石、秋田県の十和田石などが有名です。ソフトな石肌の凝灰岩は、粗面仕上げをはじめ、新たな表情作りに可能性が広がります。
その凝灰岩の中の、「大谷石」と「十和田石」を使うことにしました。
大谷石の特徴
大谷石は、栃木原産で、多孔質で石質によって「ミソ」の含みが違い、軟石ですが吸水性に富み、耐火性に優れています。よく、石垣や敷石で見かけると思います。
十和田石の特徴
十和田石は、秋田県産で、青味のある灰色地に、白や緑色の模様が入っています。水に濡れと美しさを増し、軟質で保温性も高く、浴室に向いています。
有限会社誠石材工業に施工してもらう
打合せスペースは道路側の窓際に作ります。奥の私が仕事しているスペースは、無垢の杉板張りで下足にしていますが、打合せスペースを下足にすると靴の脱ぎ履きが大変だなと思ったので、石を敷いて下足のまま入れる場所にします。
綺麗な大谷石が搬入されていますが、その下には毛布を敷いてくれています。いずれ踏まれる大谷石ですが、引渡しが終わるまで綺麗に保つという素材にも、お客にも丁寧だなと感じました。
全てを敷石にするのではなく、飛び石のようにして、その間には砕石を敷いてもらいました。
十和田石を土足の敷石にすることはないと思いますが、お風呂で石を使いたいと思う未来のクライアントのために、今回はあえて十和田石を採用しました。
石が敷き終わった後、綺麗に拭き上げてくれました。
大谷石と十和田石が作る外部のようなインナーテラス
石が敷き終わり、打合せスペースが完成しました。
石の下に敷いている砂を安定させるために当日は上がらず、日にちをあけて打合せスペースにテーブルと椅子をセッティングしてみました。
内部から見るとこんな感じです。
中から見ると、インナーテラスのようで、いい空間ができたと思います。
この打合せスペースが出来てから、事務所の前の通行人の目線が下にいき、ある方は「へ〜面白い」とか、
ある方は「写真を撮らせてください」と興味を持ってもらえているので、作ってもらって良かったと実感しています。
※参照文献:「基本から知る 素材・建材ハンドブック」