サーモウッドとは?
サーモウッドとはフィンランドで開発された画期的な木材熱処理技術により、薬剤を使用せず、高い寸法安定性・耐久性を保持した木材です。イペやウリンなどの硬木と違って加工性がよく、耐久性がいいので外部に使うこともできます。
コーモク・スーパーサーモは、その熱処理技術を湿度の高い日本向けに改良し、実用化したサーモウッドです。
コーモク・スーパーサーモ(サーモウッド)の特徴
- 地域産材が使える
- 寸法安定性
- 耐朽性
- 断熱性
- 環境
1.地域産材が使える
フィンランドで誕生したサーモウッドの技術を、越井木材工業さんが湿度の高い日本向けに改良した技術で工場生産しているため、様々な地域産材や間伐材を利用してサーモウッドを造ることができます。
2.寸法安定性
木材のの寸法変化は、木材の水分量によっておきます。それは、湿度によっても変化し、木材中の水分は日本の気候で木材を使用していると大体15%〜20%になります。その水分をサーモウッド処理をすることで、同じ条件でも木材中の水分を10%以下にまで抑えることができ、水の出入りによる寸法の変化が起こりにくくなります。
木材は、温度・空気・水分の3つが最適な条件になると木材は腐朽します。
3.耐朽性
木材を利用すると耐朽性が問われます。その腐るという欠点に対し、220℃以上の処理で、耐朽性も向上することが明らかになってきました。
そこで、乾燥機の装置の中を水蒸気で満たした状態で100℃程の高温にまで上昇させ、木材の含水率がほぼ0%になるまで徐々に乾燥させます。
水上で満たされた状態のまま、急激に温度を上昇させ、目標とする温度(180〜240℃)に達したあと、規定の時間、熱処理を行います。
処理材の含水率を調整しながら水スプレーをあてて温度を下げ、処理が完了します。
このような処理ができる乾燥機を持っている工場は、日本にほとんどないそうです。
この乾燥機で作られたサーモウッドの耐朽性は、ホームセンターなどにあるサーモウッドよりも高くなります。
4.断熱性
木材にはもともと熱を伝えにくいという性質があります。これは、木材が無数の細胞からできており、一つ一つの細胞中に空気が入っているためです。サーモウッドは熱処理を行うことで、細胞中の水分が減り、そのぶん空気の層が増えるので、さらに断熱性が向上します。
5.環境
生活をしていくには色々なところで、見えないところでエネルギーを使っています。製品となる資源の採取から製造、輸送、使用、廃棄などのすべての段階における環境への影響を定量的、客観的に評価する手法をLCA(ライフサイクルアセスメント)と呼びます。この手法を活用することで、同じ性能を持つ製品の中でも、より環境負荷の度合いが低い製品を選択することができ、コーモク・スーパーサーモの環境影響評価は、外装材としてよく用いられるアルミやタイルなどと比べて高く、環境に配慮した製品です。また、木材の活用範囲が広がることで、森林サイクル(植える→育てる→伐採する(活用する)→植える)が生まれていきます。
なぜ国産材のサーモウッドを使うのか?
ウッドデッキ材でよく聞くのは、イペやウリンなどの熱帯産の硬木ですが、これらの熱帯雨林木材は違法伐採された木材が多く、また再植林が困難なため、熱帯雨林の保護などの地球環境を考えると、熱帯雨林木材に代わる材が必須です。
そこで目をつけたのが、今回のサーモウッドです!
そして、なぜ国産材のサーモウッドを使うのか?
ヨーローッパでは、サーモウッド利用が盛んで、弊社の前のウッドデッキにはフィンランドのパイン材サーモウッドを使っています。
しかし、ヨーロッパで普及したサーモウッドをそのまま日本に持ち込むにあたり、いくつかの問題点が浮上して来ました。気候が比較的穏やかで湿度が低いヨーロッパに対し、湿潤な日本ではヨーロッパで保持していた性能が発揮されるか。
また、ヨーロッパとは違う日本の建築法規をクリアできるか。これらの点を日本の気候風土に合わせて改良した新熱処理技術が、越井木材工業株式会社が作っているコーモク・スーパーサーモです!
この新熱処理技術を使って、日本の山に多く生えている杉や檜などの国産材の活用が広がり、活用が広がることで前述した森林サイクル(植える→育てる→伐採する(活用する)→植える)が生まれ、山の環境を見守っていくことができるのです。
事務所にウッドデッキを作ったのは今から3年前。このことを知っていたら、うちの事務所も国産材のサーモウッドを使っていましたね!
高知県産材の国産材サーモウッド
高知県の森林面積が84%を占める、森林率日本一の「森の県」なんです。その名の通り、高知空港に降り立つ前に上空から高知を見たときは、緑の絨毯が広がっていました。高知の高温多雨多湿の気候風土で育った豊かな森は、清らかな水を育み、川が本当に綺麗なんです。
木材の強度を示す数値では、高知県産の杉の機械等級強度の出現率は、全国平均よりも高く、優れた強度の木材が多いのが特徴。
2014年に「ふるさとという最前線」の仲間と高知の苓北地方を訪れた時の記事はこちら
高知苓北地方の地域づくりを見学
そして、「ふるさとという最前線」については、講師だった山崎亮さんのstudio-Lとその山崎亮さんのインタビュー記事が参照になるので、そちらをチェックしてみてください!
「ふるさとこそが最前線」山崎亮<nippon.comの記事>→
Blogでは載せきれない写真をSNSにのせています
大畠個人のInstagramでは、Blogに載せきれない写真を随時アップしているので、こちらも是非覗いてみてください。
Instagram:@ryoji.ohata
Facebookをやっている方はこちらから
Facebook:@大畠稜司
Twitterをやっている方はこちらから
Twitter:@RyojiOhata
弊社設計事務所のInstagramでも、現場や今までの事例などをアップしているので、こちらも是非!
Instagram:@ryojiohataarchitect_official
Facebookをやっている方はこちらから
Facebookではリンクが貼れるので、オープンハウスやイベント情報を載せることが多いです。
Facebbok:@大畠稜司建築設計事務所
Twitterをやっている方はこちらから
Twitter:@RyojiOhataAAA
是非、個人も設計事務所のアカウントもフォロー、いいねをしていただいて、情報をシェアしてください!
よろしくお願い致します!!