多くの素材を使う住まい
千葉県我孫子市で進んでいる集合住宅のリノベーションプロジェクトでは、いろいろな素材を仕上の表現としています。
天井には紙クロスを貼った上に自然塗料を塗り、壁には既存住宅のコンクリートの壁に塗られたモルタルの質感や自然塗料を塗った壁、さらにはレンガタイル、床には無垢のフローリングやタイルの場所など、多くの素材が使われています。
無垢フローリング
弊社では基本的には、無垢材のフローリングを勧めています。
理由は、化学物質が少ない無垢な材に囲まれて生活をしてもらいたいからです。
これは感覚の部分になってしまうかもしれませんが、素材の厚みは断面が見えない状態でもなんとなく伝わってくるものがあります。
レンガタイルが貼られた土間(裏路地)
今回の我孫子の家1(裏路地のある家)では、自転車を3台、ゴルフバッグを3個持っていたりと住む方がアクティブな方で、その置き場をどこにするか、重要な条件でした。
ただ、この点に関しては、一番最初にお会いした時に閃いた案が採用されています。
それは、集合住宅ではあるけど、玄関に入って土間続きで、靴を履いたまま自転車やゴルフバッグを置ける場所を部屋を創ったことです。
その土間を路地と考え、その壁にレンガタイルを貼ることにしました。
中国で使われいた古材の赤色のレンガタイル。
これは、第二次世界大戦のころ日本人から伝えられた製法でつくられたものらしく、サンプルを見た時に、質感や形が不揃いなところがイメージしていた通りでした。
気をつけたのは貼り方です。
貼り方には色々な種類があり、よく目にするのがウマ目地、イモ目地、通し目地か目地なしだと思います。
レンガタイルを隙間なく貼る、目地なしで張ってしまうと中国ぽくなるかなと思ったのと、路地感を出したかったので、目地が段々になるウマ目地で貼ることにしました。
レンガタイルの裏側は、ビスコッティのような表情をしており、見ているとお腹が空くタイルです。
上の写真の壁一面にレンガタイルを貼ります。
玄関がある壁一面にレンガタイルを貼るので、貼り終わった後の姿がとっても楽しみです。
真鍮の船舶照明
私自身が船舶照明が好きで、事務所の外灯や事務所の並びに作ったOne Tableでも船舶照明を使っています。
船舶照明が好きな理由は2つかな。
1つ目の理由は、船舶照明の影。
暗くなって明かりを灯すと十字の影が現れます。
2つ目の理由は、素材です。
真鍮で作られた形はそのままでも綺麗ですし、真鍮のため経年変化するので、使いながら楽しめる照明です。
多種多様な素材で彩る住まい
今回採用した素材は、自然塗料、無垢のフローリング、レンガタイル、既存コンクリートの壁に塗られたモルタルなど、色々な素材が集まった住まいになります。
この素材たちが1つの空間にまとまった時がとっても楽しみです!
今回共に仕事をする工務店は、株式会社助川工務店
我孫子の家1(路地裏のある家)で一緒に仕事をさせていただくのは、千葉県柏市に会社を構える「株式会社助川工務店」さんです。
株式会社助川工務店さんは、明治二十年(1887年)創業の老舗の工務店で、助川工務店さんとの仕事は、今回で3件目。
初めての仕事は、千葉県松戸市の「松戸の家3(ゲルのある家)」の新築住宅。
2件目は、こちらも千葉県松戸市で設計をさせていただいた診療所のリノベーションプロジェクト、「松戸の診療所(無垢な診療所)」です。
木、木造に精通していて、寺社仏閣を手掛ける技術がある職人さんをかかえており、現場の管理などもしっかりしているので、安心して仕事をお願いができる工務店さんです。
独立してまもない設計事務所が、創業100年を超える工務店と仕事を一緒にさせてもらっており、巡り合わせに感謝する今日この頃です。