濃密なASAHIKAWA DESIGN WEEK 2018 2日目
ASAHIKAWA DESIGN WEEK2018の2日目。
旭川に滞在する2泊3日のスケジュールを株式会社カンディハウス(CONDE HOUSE)で働く友人に組んでもらいました。
2日目のスケジュールは、
09時30分 国産材家具サミット
11時20分頃 チェアーズギャラリーから旭川デザインセンターへ移動
12時00分頃 旭川デザインセンター着、昼食、旭川デザインセンターを視察
14時00分頃 家具メーカー視察、株式会社インテリアナス、工房宮地
16時30分 カンディハウス本社着、カンディハウス本社ショールーム視察
17時00分 CHカクテルアワー
19時30分 旭川デザインセンター着、旭川家具に囲まれたディナーコース
2日目の始まりは、旭川駅近くの会場で行われる国産材家具サミットだったので、早めにホテルを出て、旭川駅をまた散策。
いつ来ても居心地がいい旭川駅、気持ちがいい公共空間です。
国産材家具サミット
今回のASAHIKAWA DESIGN WEEK2018で参加したかったのが、国産材家具サミットです。
日本は66%が森林で森林率は先進国で世界3位という緑に恵まれた環境ですが、国産材の活用が進んでいないのが実情です。
平均的な住宅(120㎡)で1戸当たりの木材使用量は約24㎥となるため、生業として建築家である者が建物を建てる時に国産材をどんどん使っていきたいと思っていますが、どうしても価格の面で海外産の木材に負けてしまい、出口側の改革が必要だと感じていて、このことはサミットでも話題にあがり、活用方法が難しいんだなとあたらめて痛感しました。
7年前から国産木材活用の運動は始まっているらしく、今は「港区テナント店舗等の木質化モデル創出事業助成金」や「公共建築等における木材利用を促進する法律」など助成金や法律で後押しをしているようだが、助成金もいつまで使えるかわからないこの先、助成金が使えるうちにもっと意識的な改革が必要なんじゃないかと常々思っています。
しかし、エンドユーザーと話し合える立場の私が、まだその術を身につけれていないのが歯がゆい。
このサミットで初めて知ったのが、ゲストスピーカーのNPO法人フォレストリンク代表理事、白鳥芳洋さんです。
白鳥さんは、森林の保全やその価値の普及啓発により、森を活用した豊かな生活環境づくりを目指す「NPO法人フォレストリンク」の代表理事をされ、建築物への国産材使用を促したCO2排出量の削減を図る取り組み「みなとモデル二酸化炭素固定認証制」では、事務局技術専門官を務められています。
「みなとモデル二酸化炭素固定認証制」は前から知っていたが、白鳥さんのことは恥ずかしながら知りませんでした。
今後は、白鳥さんの動向などに目を向けていきたいなと思います。
家具製作の工房を訪ねる
国産材家具サミットの後は、チェアーズギャラリーに立ち寄り、旭川デザインセンターまでADW乗り合いシャトルタクシーで向かいました。
旭川デザインセンターに到着してまずランチを食べ、旭川デザインセンターを見学。
入り口には、アーティストユニット「DAISY BALLON」の作品が飾られていました。
旭川デザインセンターには、6年前に訪れた滝澤ベニヤさんも出店していて、そのとき工場をを案内してくれた専務とばったり会うことができ、色々と話すことができました。
この旭川デザインセンターで好きになったメーカーがあります。
それは、株式会社匠工芸さんです。
匠工芸さんの新作「AG」は、背もたれが生地で背中のあたり方が気持ちよく、座り心地もいい。
これはオススメです!
旭川デザインセンターの次は、上川郡東川町にある株式会社インテリアナス(下のMAPだと⑥)を訪ねました。
インテリアナスさんの工房を訪ねると、ショールームには今まで製作されてきた家具がたくさん並んでいました。
その中には、2012年に東京の新木場のお店で一目惚れした椅子、「SHEEP chair」が!
2008年のIFDAでBronze Leaf賞に輝き商品化され、3次元の曲線が綺麗で、この曲線はずっと撫でていたくなる椅子です。
座り心地はもちろんいいのですが、自ら近づき触りたくなる椅子です。
こんな椅子は、なかなかないと思います。そんな椅子をまさかインテリアナスさんが作っていたとは。
この製作ストリーを聞きましたが、本当に大変だったみたいです。
他にもペーパーウッドを使って作った椅子もありました!
素晴らしい椅子たちが作られている工房を見学させてもらうと、思ったよりこじんまりした感じでした。
初日に株式会社カンディハウス(CONDE HOUSE)さんの工房を見学させてもらったからそう感じるのかもしれませんね。
インテリアナスさんの後は、工房宮地さん(上のMAPだと22)を訪ねました。工房宮地さんは1人で製作をされています。その工房の裏手には、素晴らしい景色が広がっていました。
訪れたときはあいにくの天気ですが、好きな家具づくりをこのような場所でできるなんて、羨ましいなと思います。
それも優れた技術を習得されたからこそですが。
こうやって工房を訪ねて職人さん作業風景を見て回ると、自分がDIYで棚やテーブルを作りそれを売ってほしいと言われると職人さんに申し訳ないなと感じます。
というのも、素人が作る家具はジョイント部分などビスやボンド頼みで、長期的に使えるのか何の保証もないのに、見た目はいい家具を安い価格で購入したいと思わせる。
購入するときは、どうしても見た目よりも価格が気になると思います。
ハンドメイドマーケットなどに並ぶものは見た目はおしゃれで価格が安く、購買意欲を掻き立てるものがたくさんあります。
しかし、耐久性はどう考えているのか疑問を感じます。特に家具について。
そういった家具と職人が作った家具を比べて、職人が作った家具を「何でこんなに高いの?」と思う人が多い気がします。
それは耐久性が違うからです。また、使っている木材も違います。耐久性に耐えうる木材を、耐久性に耐える技術で作っているから高いのです。
しかし、ハンドメイドマーケットなど並ぶモノは、安い木材を着色し、いい木材を使っているように見せているようモノもある。
安いから壊れたら買い換えるというのであればいいのですが、それならまだちゃんとしたメーカーで購入した方がいいじゃないかなと思います。
DIYやハンドメイドマーケットは、小商いをしていくにはいいきっかけで、DIYやハンドメイドマーケットなどが悪いというわけではないのですが、技術、デザイン、価格をトータル的に考えて物を選んでほしいなと思いますし、本物と耐久性を知った上で、選んでほしいなと思います。
そうしないと、職人さんがどんどん少なくなってしまいます。
そのため、私はDIYで棚やテーブルなどは作れますが、それを売ろうとは思いません。
DIYはオリジナルのものが作れるので自分のためには作りますが、製作時間がかかる割には耐久性に保証が持てないので、無責任なものを世の中に提供しないようにしています。
最後は、株式会社カンディハウス(CONDE HOUSE)のショールームを見学し、CHカクテルアワーに参加させてもらいました。
アテンドをしてくれたのにカンディハウス(CONDE HOUSE)さんの写真がこの1枚しかなく申し訳ない。
カンディハウス(CONDE HOUSE)さんには欲しい家具がたくさんありますが、やはり高い。
オススメは、KAMUYダイニングチェアーです!
高いけど、それを年、月、日、時間で割っていくと安いなと思う。
安いなと思いますが、すぐに購入できる価格ではないのは事実。そのため、お金を貯めて、一生使える家具を選びたいと思っています。
成熟した社会だからこそ、もっと先を考えてモノを持ってもいいのではないでしょうか。