ペーパーウッドを訪ねて、旭川へ
ペーパーウッドを知っていますか?
木場にある「Flags木場」で見つけた面白い素材、それがペーパーウッドッでした。
普通の積層合板は薄い板が積層されて合板となりますが、ペーパーウッドは積層されているのが紙なんです。
設計者としては、小口(木材の切り口)は綺麗じゃないのでなるべく隠したいなと思うのですが、このペーパーウッドは断面がとってもカラフルで綺麗。
Flags木場を訪れたのが2012年10月25日。そこからペーパーウッドが気になり、ペーパーウッドを製作している会社を調べると北海道芦別市にある「滝澤ベニヤ株式会社」とのこと。
椅子のデザインも考えていたのと、どうしてもペーパーウッドがどのように作られているのかこの目で見たくて、滝澤ベニヤさんに連絡をしました!
「ペーパーウッドに興味があり、実際に工場を見させていただけませんか?」とお願いし、その後メールのやり取りをして実際に工場を見学させてもらえることになりました!
残念ながら今年のペーパーウッドの製作は終わってしまっているとのことだったんですけど、せっかくなので合板工場の現場を見学させてもらうことにしました。
また、旭川駅は以前働いてた事務所(内藤廣建築設計事務所)で模型を作ったり、図面の補助もしていたということもあり、関わった建築は見たいとずっと思っていので、旭川に行くことにしました!
ペーパーウッドの縁で来た、初北海道・初旭川
北海道に到着。
12月の北海道。
−9.7度。寒い。
オーロラを見に真冬のカナダを経験したことはあるけど、日本の寒さは体に浸みる寒さ。
そして旭川空港から旭川駅までバスで移動。
旭川駅に到着。
街が一面銀世界。
カナダのイエローナイフを思い出す光景です。
旭川駅で瀧澤さんと待ち合わせをしていたのですが、朝一の飛行機で来たため待ち合わせまで時間がありました。
外は寒いし、せっかくなので旭川駅を散策。
新駅舎の旭川駅は高架化が目的であり、ラチ外コンコースは天井の高い空間となっています。
駅というと無味乾燥な空間が多いですが、旭川は板張りとコンクリートの打ち放しの仕上げで、素材伝わって来た温かい空間です。
滝澤ベニヤの工場見学
旭川駅の散策をほどほどにし、瀧澤さん迎えに来ていただき、滝澤ベニヤの工場見学に向かいます。滝澤ベニヤさんの工場は、旭川駅から車で1時間ほどの芦別市にあります。工場に到着すると、千葉ではなかなか見ることができない氷柱がお出迎え。
さすが、木材工場、圧巻の光景。
ペーパーウッドの特徴
ペーパーウッドは木材と色のついた紙の積層でできており、切り口がカラフルなストライプ状になり、美しい断面が特徴です。
さらに、滝澤ベニヤさんの拘りとして、木材と紙を貼り合わせるノリはノンホルマリン接着剤を使用しています。
ノンホルマリン接着剤とは、VOC対象物質14物質が含まれていない接着剤で、自律神経失調症やシックハウス症候群を引き起こす心配がありません。
VOCはVolatile Organic Compoundsの略語で、簡単に言うと「揮発しやすい有機化合物」のことで、常温常圧で空気中に容易に揮発する有機化合物の総称です。
ペーパーウッドの種類
ペーパーウッドには何種類かのタイプがあり、色のついた紙とシナ材を貼り合わせたものや色のついた紙と白樺の間伐材を貼り合わせたものがあります。
滝澤ベニヤ株式会社が考えるこれからの日本
滝澤ベニヤさんのホームページを覗くと、木に対する愛と環境への思いが読み取れます。
1936年に創業した滝澤ベニヤさんは、日本の森を守るために国産材にこだわり、高付加価値合板の開発などに力を入れています。
日本は森林率が67%と国土の2/3が森林という恵まれた森林国ですが、どうしても安価な海外産におされ、国産材の利用が進んでいません。
その結果、林業が成り立たず、山が荒れている状態です。
山は遠くから見ると緑で綺麗ですが、山の状態は遠くからではわかりません。
遠くから見て山の状態が悪かったんだと気づくのは、山崩れがあったときでしょう。
日本は古くから木の文化が根付いており、木に囲まれた空間に入ると落ち着くと思います。
しかし、どうしても価格の面で、諦めてしまうことが多々あります。
そこをどう改善できるか。
工場の見学の後、瀧澤さんと話していると、新入社員が入ってもすぐ辞めてしまうとのこと。確かに、辞めたくなる理由はわかります。
なぜならあんな寒いのに、工場は隙間などがあり、環境としては決していいとは思えない。
ただ、それは瀧澤さんが悪いのではなく、市場の価格が労働環境と釣り合っていないのだと思う。
このまま続くと、林業をする人が減っているように、建材に関わる人も減っていってしまう恐れがあります。
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