水について考えるきっかけになったのは、大学生の時に留学したオーストラリアでのシャワーを浴びている時間が長いと、ホストマザーに怒られたことだ。
1時間もシャワーを浴びていたわけではなく、確か15分ぐらいだったと思う。
それでも長いと怒られ、水をもっと大切にしなさいと怒られた。
ヨーロッパを旅した時もインフラについては、日本は本当に便利だなと思った。
スペインでは、冬の寒い時でも、ある一定の時間が過ぎるとガスが止まり、夜シャワーを水で浴びたことがあったあ。まぁ、安い宿だったからというのもあるけど(苦笑)
水やインフラのことは普段は気にしないし、夏の節水でも短い期間だとその時は不便だと思っても忘れてしまう。
でも、オーストラリアに5ヶ月間すんでいたり、ヨーロッパを5ヶ月間旅をしていると、インフラの有難さを痛感した。
ちなみに、日本人の1日の水の使用量224リットルで、水の使用量世界第6位だそうですよ。
さらに水の格差?地域差があります。
そのことを知ったのは、以前訪れた愛媛県の西条市には水路があり、旧市内に限ってではありますが、水道代が無料なんです。
日本の各地の水道料金
山梨県富士河口湖町:2,750円
東京都全区市:4,448円
北海道羅臼町:9,720円(人口が少なくインフラに費用がかかるため)
カリフォルニアの山火事
前回のBlogカリフォルニアのウォターポリスについて軽く触れましたが、去年カリフォルにはでは大きな山火事が起きています。
焼失面積が東京都の半分以上に相当する約1150平方キロに達し、カリフォルニア州で過去最大の山火事でした。
カリフォルニア州では7月から熱波が続き、ロサンゼルスから約350キロのデスバレーでは7月の月間平均気温が42.3度を記録し、観測史上で世界最高となったのと、降水量が例年の4分の1で、3ヶ月ほとんど雨が降っていたなかったそうです。
水不足の原因
水不足の原因は、先ほど例にあげたカリフォルニアのように異常気象が原因でもありますが、そのほかには、人口増加や経済発展などもあります。
1995年、当時世界銀行の副総裁であったイスマイル・セラゲルディン氏が「20世紀の戦争が石油をめぐって戦われたとすれば、21世紀の戦争は水をめぐって戦われるであろう」とそう警告したが、その警告が現実を帯びてきているそうです。
ユニセフによる安全な水の状況について
ユニセフのホームページには、2017年の世界の水の状況を伝えています。
22億人が、安全に管理された飲み水を使用できない。
このうち、1億4,400万人は、湖や河川、用水路などの未処理の地表水を使用している。42億人が、安全に管理された衛生施設(トイレ)を使用できない。
このうち6億7,300万人以上は、家や近所に利用できるトイレがなく、道ばたや草むらなど、屋外で用を足す、屋外排泄を行っている。30億人が、石けんや水が備わった基本的な手洗い設備が自宅にない環境で暮らしている。
ユニセフの主な活動分野|水と衛生
これが、世界の状況。
日本にいるとわからないこと。
水を作るイスラエルの水ビジネス
世界一の水ビジネス大国 、イスラエル。
イスラエルは約60%が乾燥地帯のため、先進国の中でも昔から水に困っている国でした。
死海の一部の海岸では、極度の乾燥により水分がなくなり、突如陥没。そんな穴が3000以上あり、シンクホールと呼ばれています。
しかし、そんなイスラエルのエルサレムでは、水飲み場があったり、家庭の水道水を直接飲んでも平気なほど水が綺麗。
イスラエルの約55%が海水を綺麗にした水で、水再生ビジネスが確立している。
ガル・ウォーター・テクノロジーズ社は、海水をフィルターを通し、海水を飲み水に変えられるガル・モバイルを作り、1日に2万リットルの水をつくることができます。
費用は、1台1,500万円と高額だが、イスラエル軍、フィリピン軍、ガーナ軍などが購入しているそうです。
また、イスラエルには、海水を淡水に変える水工場が5つあり、ソレク工場だけで1日6億リットルの水を作っています。
どのように変えるかというと、フィルターに海水を入れて塩分が吸着させ、淡水に変えているだけなんですが、イスラエルの水事業は国家プロジェクトであり、コストダウンを計っています。
自家発電機を導入し、電気代50%カット。さらに自動化により人件費を削減。
1,000リットルの水を作るのに、たった60円しかかラズ、イスラエルの淡水化システムは40カ国に輸出し、400もの工場を作っているそうです。
ほかには、Watergen(ウォータージェン)という会社は、空気かから水を作っています。
大気中の空気を吸い込み、中のフィルターで不純物を取り除き、これを急激に冷却し、空気中にある水分を結露させ、最終的に水にする。
電気代は60円で、1,000リットルもの水を作れ、さらに、小型の空気ウォーターサーバーを作っています。価格は、1機20万円。
イスラエルの水関連ビジネスは輸出額2,400億円
現在の世界の水関連ビジネスは56兆円。
2025年には、110兆円になる予測と言われています。
イスラエルは、水を使えるようになり、産業構造が変わったそうです。
砂漠で綺麗な水が使えることにより、点滴灌漑農法でコンピュータ制御により作物を育てることができるようになり、砂漠でも野菜が育つことを証明し、農業国に変貌。
トマト、ナス、パプリカ、レタスなど育て、イスラエルの農作物輸出額は約2100億円(2016年)で、ヨーロッパにも農作物を輸出。
他の水を使った意外なビジネスでは、、錦鯉を育て、ビジネスにしています。
イスラエル産の錦鯉は、日本産より4割安く、年商は4億円とのこと。
日本の水活用
洗濯マグちゃん
「洗たくマグちゃん」という商品を知っていますか?
1コ1,944円とそんなに高くない商品ですが、この洗濯マグちゃんを洗濯機に入れて選択するだけで、部屋干しの嫌な臭いをスッキリ解消できる商品なんです!理由は、マグネシウム水素水パワー。
消臭だけではなく、消臭+洗浄+除菌洗濯物と洗濯機にうれしい3つの効果があり、排水ホースの洗剤の残りカスや雑菌洗濯槽の黒ズミが落ちます。
一度使った後は、乾燥させて、その後300回ほど繰り返し使えます。
ここで、東京都の1日の水の使用量をあげたいと思います。
洗濯平均約33リットル 炊事約40リットル トイレ約46リットル シャワー5分間約60リットル、4人家族約880リットル。
これだけの水が1日使われているんです。
この洗濯マグちゃんを作ったのは、茨城県古河市にある宮本製作所さん。
1965年創業で、従業員25人の金属加工会社は、当初は自動車のエンジン部品を製造していて、毎年値下げの要求で、このまま続くとジリ貧になるので、下請けからの脱却を図るために、工場で出るマグネシウムの削りかすを再利用。
家庭で使っているものをマグネシウムで作れないかと考えたときにマグちゃんができたそうです。
洗たくマグちゃんは、純度99.95%のマグネシウム。
金属マグネシウムで洗濯する方法で、特許マグネシウムを水に入れると化学反応で水がアルカリ性になり、そこに油を入れてかき混ぜると、分離するはずが、水と油が混ざり石鹸と同じ効果が生まれます。石鹸が汚れを落とすのと同じ効果が生まれ、アルカリ性の水に人の油が反応し、汚れを浮かして落とします。さらに、除菌効果もあり、消臭効果をもたらす。
この洗濯マグちゃんは、100万個の販売することができ、2017年の売り上げは5億円。
消臭+洗浄+除菌洗濯物だけではありません。
洗濯排水で野菜の育ちが良くなるとのこと。
人が汗をかいたり、皮脂汚れが出流のをマグネシウムだけで洗濯すると、窒素、リン、カリウムが含まれた洗濯排水が出るため、野菜を育てるのに必要な栄養素が含まれた洗濯排水となり、さらに、マグネシウムの排水には殺虫効果があるため、無農薬の野菜が作れるそうです。
2021年7月に追記
この「洗たくマグちゃん」は消費者庁が、「宮本製作所が表示しているほどの効果を示す根拠はなく、景品表示法(優良誤認)に違反する」として、再発防止命令を出しておりますが、効果の評価は色々あるようです。
水を再活用するベンチャー、WOTA
WOTAのシャワーブースは、タンクの水を30リットルを使用するだけで、水道管や排水管の工事をしなくても、その場でシャワーブースができてしまうんです。
体を洗うために使った水をフィルターを通して綺麗にし、循環して使う、循環型のシャワー。
単に、フィルターを通すだけではなく、どんな水質の水が通っていて、フィルターがどんな状態なのかをAI(人工知能)に計算させており、ものすごく汚い水が入ってきた場合は、フィルターのダメージが大きいのでろ過せずにそのまま捨てることもAIが判断します。
この原理により、排水の95%以上を繰り返し使える。
代表の北川さんは、東京大学大学院で上下水道のインフラを研究していて、東日本大震災の時に2週間弱断水して水が使えないことがきっかけに、2014年に創業。
AIを使って汚れを感知し、将来は家全体の水を家の中で自給自足できるかたち、新しい水インフラを目指していて、上下水道がなくても暮らせる未来を考えているそうです。
ベンチャー支援をしているMistletoe孫泰造さんやサッカーの本田選手も注目しているベンチャーです。
旅をしていても思いましたが、喉の渇きは辛く、生死に関わるのに何か起きた時に水に対して無力なのが現状。
広島の豪雨災害で、循環型シャワーを使ってもらい支援しており、水が豊かな日本に暮らしていても、災害などに直面すると途端に深刻な水不足に悩まされることになります。
世界を見渡せばそもそも水がない、インフラ整備のお金がない。
日本以上に世界のいろいろな国の方が可能性がある。
世界各地では今も水不足に苦しんでいたり、水資源を巡って争いが起きたりと深刻な問題が耐えることはありません。
限られた水資源をいかに有効に使うか。
他には、株式会社カワイチテックという会社が、KTパウダーという製品を作り、泥水にKTパウダーを混ぜてかき混ぜると、泥だけが沈殿し、綺麗な水と泥に分離することができるそうです。
KTパウダーについて→
水はカネなり。
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