人生を変えた本
高校生の頃から将来やりたいことはある程度決まっていた。
大枠で考えると、海外と、海外で、仕事をしたいという夢があって、その中でも商社マンに憧れ、駅伝で有名な拓殖大学の国際色豊かな所に惹かれ、商学部貿易学科(現国際ビジネス科)に通っていました。
進路を決める就職活動。
やりたいことは決まっていたが、この会社に行って、こんな仕事をしたいという具体的な将来像がないまま就職活動を開始。
大学生の時はインテリアに興味があったので、インテリア関係の会社の面接を受けていたが、面接の日々でふつふつ湧いてきた思いと、1冊の本との出会いがありました。
湧いてきた思いとは、ミッドセンチュリーの家具に興味があって雑誌を見ていると、家具はオシャレだけど、もちろん部屋の内装もかっこいい。
しかし、日本を見るとどうだろう。
当時の自分には日本の建売住宅の家にミッドセンチュリーの家具は合わないなと感じた。
家具を買うことは誰でもできるけど、内装を変えることはなかなかできない。せっかくオシャレな家具を購入するのであれば、その家具が入る部屋のインテリアも考えたいし、その部屋を考えるならその部屋の建築まで考えれるようになりたいという思いから、「建築」という職業に興味をもち始めた。
そして「建築」に興味を持ち始め、出会った本が「建築家たちの20代」。
この本は安藤忠雄さんが、東京大学の建築学生のために、世界的な活躍をされている6人の建築家を東京大学建築学科に招待し、それぞれの建築家の子供時代のことや、どのように建築に興味を持ち始め、またどのように建築を学んでいったのかという建築教育の話、事務所をスタートさせた頃のこと中心に話したことをまとめた本。
この本は、建築に惹かれ始めた私にとって、とっても刺激的な本でした。
就職活動を切り上げ、建築の道を選ぶ
「建築家たちの20代」から多くのことを学ぶことができた。
建築界の巨匠をいっぺんに知ることができたし、そこから派生し他の建築家のことなどを学べ、さらに安藤忠雄さんを掘り下げることでより建築に惹かれ、建築という職業であれば一生勉強できると感じ、建築の道に進むことに決めた。
就職活動を切り上げ、大学卒業後は就職せずに建築の専門学校に通うことに決めたのが、確か2002年の8月頃だった気がする。
それから専門学校を選びながら、大学を卒業するまで時間があったので、英語の勉強がしたく語学留学をすることにした。
留学先は、AUSTLARIAのParth。
アメリカやイギリスなど考えたが留学費用が高かったので、オーストラリアにすることにし、その中でも日本人が少なそうなオーストラリア西の最大都市、パースを選んだ。
オーストラリアの語学学校では、いろいろな国籍の友達たちとコミュニーケーションを取ることができたし、オーストラリアの大自然を体験できたことは、とってもいい経験ができたと思っている。
帰国後、東京テクニカルカレッジに通う
オーストラリアには2002年11月〜2003年03月までの5ヶ月間滞在し、帰国して翌月の04月からは東京テクニカルカレッジの建築学科の夜間に通い始めた。
専門学校の1年目は、大学3年生から働いていたSTARBUCKSで朝からお昼過ぎまで働き、バイトが終わったら学校に行き、夜の授業が始まるまでの時間で学校の図書館で建築の本を読んで授業では習わないことを学んだり、コンピュータで図面を描くCADができないと実務ができないだろうとCADの取得に励んでいた。
専門学校2年目になると、学校の求人にあった設計事務所のアルバイトに立候補し、一番最初の設計事務所、アルカディア建築設計事務所で働くことができた。
所長1人で運営している事務所だったので、バイトでもすぐにCADを使った図面を描かせてもらえ、フルタイムで働きながら夜は学校に通い、学校を卒業した後は正社員として雇ってもらいプロジェクトを担当させてもらうことができた。
最初の事務所の後のGrand Tour
学校卒業後は2級建築士の勉強をしながら設計事務所で働き、ちょうど担当プロジェクトが終わり、所長が引退を決めたと同時に2級建築士にも合格したので、
次のアクションを起こすことにした。
それは、ヨーロッパの建築を自分の目で見にいくという、建築行脚の旅だ。
ヨーロッパの建築行脚の旅、「Grand Tour」については、前回のBlog、
「建築の大学を出ていない者が「建築家」に憧れヨーロッパを旅した日々」
に書いてあるので、こちらを読んでみてください。
アルカディア建築設計事務所を退職したのが、2006年の年末で、Grand Tourまで2ヶ月の時間があったので、その間は、東京の建築を見て回っていた。
その手助けとなったのも、本でした。
TOTO出版から発行されている「建築MAP東京・2」。
この本もヨーロッパの本と同様、建築家が設計した建築の位置がMapにプロットされていて、その説明書きも掲載されているので、Grand Tourの予行練習のようなものだったと、今は思う。
Grand Tour帰国後に、アトリエ事務所を探していた
Grand Tourの旅の期間は、2007年03月01日〜07月28日までの約5ヶ月間。
帰国後は、次のステップとして一度は「建築家」のもと、「アトリエ事務所」で働きたいと思っていたので、雑誌や本を読み、作風や設計思想に共感できた建築家の人となりを感じるためにも講演会に顔を出していた。そこで、この人だ!と思えたのが「内藤廣」さんだった。その時、ちょうど内藤さんのところでアルバイトの募集をしていた。
しかし、その時は既に28歳。
年齢的には、建築の大学を卒業した人たちが独立する年齢だ。
そのため、もし内藤事務所で働けたとしても、学生アルバイトや若い所員に使われるようになる。それでも、どうしても働きたかったので、バイト応募のため電話すると、案の定、年齢のことを言われ、年下に指示されるし、その年齢なら社員で雇ってもらえるところで働いた方がいいと言われた。
そんなことは覚悟の上だったので、
「無給でも構わないので働かせてもらえませんか!」と懇願すると、
「バイトでいいなら来ていいですよ」と手を差し伸べてくれ、そこからはがむしゃらに働いた。
図面はある程度描けたが、模型を作ったことほとんどなかったのでよく怒られたし、プレゼン資料の作り方も学校で習ったことがなかったので見様見真似で習得し、また内藤事務所のスタッフとアカデミックな話ができるように、通勤時間や休みの日には建築の本をよく読んでいた。
今の自分があるのは、内藤廣さんが拾ってくれ、内藤さんはじめ、スタッフに鍛えられたからだと、常々感じている。
内藤事務所には2年しか居られなかったが、その2年の間でいろいろなプロジェクトを手伝わせてもらえたし、チーフのもと、2つのプロジェクトの実施図面を描かせてもらえたので、濃密な2年を過ごすことができた。
私を拾ってくれた内藤さんに何ができるかと言えば、それは事務所を継続することだろうし、建築の世界で「名前」が出るようになることだと思う。
そのためにも日々研鑽を積まなければ!
修行先として内藤廣建築設計事務所を選んだが、一度だけ安藤忠雄さんの事務所の門を叩いたことがある。
2003年の3月にオーストラリアの語学留学から帰ってきて、卒業旅行と称し、1人で京都近郊の建築を観て回っていた。
その旅で安藤さんの光の教会をどうしても見たかったので大阪に行き、その足で安藤さんの事務所の事務所、安藤忠雄建築研究所を見に行った。
その時に無謀にも安藤忠雄建築研究所の門を叩き、
「安藤さんはいらっしゃいますか?(緊張していてよく覚えていない)」と突撃訪問したが、不在でお会いすることができず。
今思えば、アポなしの訪問は迷惑だったなと思う。
内藤廣建築設計事務所の後
内藤事務所の後は、住宅の設計をしたかったので、共感できる事務所を色々と調べ、スタッフ募集をしているタイミングで門を叩いたのが、結設計でした。
ここでは、所長の藤原さんのもと、スタッフが担当プロジェクトを持つ体制だったので、結設計でも2年間しか居られなかったが、2つの住宅プロジェクトを担当させてもらった。
結設計の最後は、いろいろなことが重なり結構大変だったが、木造住宅の考え方、素材の扱い方など、ここでも多くのことを学ぶことができた。
結設計でのすべてのプロジェクトが終わったタイミングで独立を考え、その時はまだ1級建築士の資格の取得途中だったので、まずは2級建築士事務所として独立、その後、1級建築士の免許を取得し、今の事務所がある。
今までを振り返ると
2002年の11月にオーストラリア留学が始まり、それから17年が経つ。
1級建築士の勉強が始まるまでは、月曜日から土曜日まで働き、土曜日の真夜中に家を出て、日曜日の朝早くからサーフィンをし、午後はサッカー、とよく働き、よく遊び、1級建築士の勉強が始まってからはよく働き、よく勉強し、独立後はがむしゃらに働いてきた気がする。
これからは、インプットの時間を大切にしながら、自分のパーソナルな部分を大切にした表現者でありたいと思っている。
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