松戸の家6(つぐ家1)について

所在地 :千葉県松戸市
主要用途:住宅
構造  :木造在来工法 地上2階建て
敷地面積:261.00m²
建築面積:102.94m²
延床面積:149.94m²
施工  :有限会社タケワキ住宅建設
構造  :大畠稜司建築設計事務所
撮影  :大畠稜司建築設計事務所

常盤平にお住まいの方から両親が住んでいた家を地域に開いた場所にするためにリノベーションを考えているという問合せがあり、始まったこのプロジェクト。昭和55(1980年)年に完成したこの住宅は、細かいディテールや仕上、材料などが使われていました。

リノベーションの優先事項は、デザインよりも耐震性能と断熱性能です。しかしこの耐震性能と断熱性能を改善させるには大がかりな工事となることが多く、時には建て替えと同じぐらいの費用がかかることもあり、設計する立場から正直に言うと、新築で設計をする方がスムーズに進み、設計者のイメージ通りにデザインすることができます。しかし、私はスクラップアンドビルドに疑問を持つ建築家なので、コストが厳しくてもクライアントが家に思入れがあるのであればできる限りリノベーションを模索したいと常に考えています。そうすることで昔の面影(街の記憶)を残しながら住まいが新しくなれば、時間が続いてるように感じられます。

今回は市の「木造住宅の耐震診断費補助金」と「木造住宅の耐震改修費補助金」を利用して耐震工事を行いました。筋交などの金物で補強するため壁を壊します。そのタイミングで断熱材を入れ替えました。仕上材はなるべく自然素材を使い、内部は長く住みたいと思い続けるような空間としました。外部は外壁の塗装を塗り替えるだけに留め、これまでの風景を引き継いでいます。

地域に開いた場所にするということから道路側の高い塀を壊しオープンな空間とすることで、地域とのつながりが強く感じられるようにしています。

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