松戸の家2(無垢な賃貸)について

所在地 :千葉県松戸市
主要用途:賃貸
構造  :鉄筋コンクリート造 地上7階建ての2階
敷地面積:---.--m²
建築面積:---.--m²
延床面積:44.28m²
施工  :竹中ホームリビング株式会社、DIY
構造  :
撮影  :North6、大畠稜司建築設計事務所

JR常磐線の北小金駅から徒歩10分強歩く、1974年に建てられたマンションの2DKの1室を賃貸用にリノベーションしたプロジェクトだ。プロジェクトが始まったのが2015年なので、築41年の物件をリノベーションした。

賃貸用のリノベーションを始めるにあたり、どうすれば他の物件と差別化ができるか、どうすれば年月が経っても選ばれる物件になるか、そのことを考えた。
需要としては、水回りが新しい方が決まりやすいと思うが、水回り、特にお風呂はそう簡単に取り替えることができない。ではどこで差別化を計るか。一般的なビニルクロスやクッションフロアの賃貸だと年数が経つにつれて新しいアパートに需要は流れると考え、賃貸であえて自然素材を使った部屋を提案した。

間取りは、2DKから1LDKに変更し、バルコニーから入る光を奥まで取り入れるようにした。水回りでは、トイレと洗面所が分かれていたのを1室にし、水回り全て、お風呂、トイレ、洗面所、キッチンを新しくした。
部屋の内装は弊社の事務所と同じで、天井と床には自然素材の塗料で塗装し、床には杉の無垢フローリングを使った。傷がつきやすい杉のフローリングは賃貸用には不向きかもしれないが、杉の木目や肌触りは内覧をした人には印象が残ると考えた。自然素材を使った部屋を体験してもらえれば、その良さに気づく。
しかし、賃貸用のため費用をかけられないということもあり、依頼主と相談し、天井と壁の自然塗料、床張り、床の塗装をワークショップを開催して参加者と一緒にDIYで塗装した。
照明や建具は、以前から使われていたものを再利用して活用した。建具は昔ながらのガラスが使われており、その建具があるだけで雰囲気が柔らかくなる。

一般的な賃貸用の物件とは違う古いようで新しい空間は、貸出を初めてすぐに入居者が決まった。

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