既存のコンクリートの壁と自然塗料の壁が並ぶ住まい
千葉県我孫子市で進んでいるリノベーションプロジェクト。
集合住宅の1室をフルリノベーションしているこのプロジェクト。
集合住宅は鉄筋コンクリート構造の4階建てで、その4階の1室を設計させていただき、工事が進んでいます。
構造が鉄筋コンクリート造のため、どうしても壊せない壁があります。
そうゆうどうにもならない壁は、あえて仕上げをせず、コンクリートの物質感を仕上げとし、デザインしました。
洗面所は隣のお宅との界の壁があるため、そのコンクリートの壁を見せるようにしました。
黄土色の壁の部分は石膏ボードで、石膏ボードを張っている壁も鉄筋コンクリートの壁なんですが、外部に面するコンクリートの壁には断熱材を追加しました。
その断熱材を追加したことで、断熱材を隠すためと断熱材を張ったことによってできる段差をなくしフラットな壁にするために石膏ボードを張っています。
その石膏ボードには弊社でも使っている自然塗料を塗ります。
先ほどはリビングダイニングから主寝室を見ましたが、上の写真は主寝室からリビングダイニングを見ています。
主寝室から見るとコンクリートの壁が並んでいるように見えますが、このコンクリートの壁は集合住宅の構造のため壊すことができないので、この壊せない壁はあえて見せるようにし、コンクリートの質感を露わにしました。
素材の違いがわかりやすいのが、主寝室ですかね。
正面と右の壁は断熱材を必要としない壁のためコンクリートの現しにし、左の壁は外壁に接しているわけではないですが主寝室という眠る空間のため壁に自然塗料を使い気持ちよく眠れる場所としました。
天井が白いのは、紙クロスがすでに張ってあります。
クロスは極力ビニルクロスを使わないようにしており、天井であれば手で触れることがほとんどないため、紙クロスを張っています。
開放的で居心地がいい空間を目指す
工事をしている棟は4階建てで、他の棟は3階建てなので、視界が開け、とっても開放的で気持ちがいい住まいです。
その開放的で気持ちがいい住まいは、元々はビニルクロスが張ってあって、私の中では変えることができない部分でポテンシャルが高いのに、ビニルクロスが張られた住まいに違和感がありました。
そこで、自然素材や無垢な素材を使うことで、すでにある気持ちよさにプラスアルファをすることができればいいなと考え、素材の選定から見直しました。
その素材については、次のBlogで綴りたいと思います。
今回共に仕事をする工務店は、株式会社助川工務店
我孫子の家1(路地裏のある家)で一緒に仕事をさせていただくのは、千葉県柏市に会社を構える「株式会社助川工務店」さんです。
株式会社助川工務店さんは、明治二十年(1887年)創業の老舗の工務店で、助川工務店さんとの仕事は、今回で3件目。
初めての仕事は、千葉県松戸市の「松戸の家3(ゲルのある家)」の新築住宅。
2件目は、こちらも千葉県松戸市で設計をさせていただいた診療所のリノベーションプロジェクト、「松戸の診療所(無垢な診療所)」です。
木、木造に精通していて、寺社仏閣を手掛ける技術がある職人さんをかかえており、現場の管理などもしっかりしているので、安心して仕事をお願いができる工務店さんです。
独立してまもない設計事務所が、創業100年を超える工務店と仕事を一緒にさせてもらっており、巡り合わせに感謝する今日この頃です。