木繊維断熱材STEICO(シュタイコ)とは
木繊維断熱材STEICO(シュタイコ)は、針葉樹の端材が原材料で、イソシアネートを含む接着剤やホルムアルデヒトなど有害な化学物質は一切使われていません。さらに梱包資材に至るまで再利用可能な素材で作られています。
木繊維断熱材STEICO(シュタイコ)が使われたCOP26ハウス
2021年11月1日にイギリスで開催されたCOP26サミットは、パリ協定と国連気候変動枠組条約の目標に向けた行動を加速するために締約国を結集し、そこで脱炭素時代のモデル住宅として 「COP26House Beyond Zero Homes」が建設され春らしの健康と快適性を同時に実現する「Beyond ZERO Homes-脱炭素の先へ」を建築のキーワードにしています。シュタイコ木繊維断熱材はそのための重要なアイテムである断熱材としてOOP26で指定されました。
このCOP26ハウスは、シュタイコ木維断熱材を使用する事により、家1棟で6.875トンものCO2を固定化することを可能にしました。
木繊維断熱材STEICO(シュタイコ)はCO2を固定化する
これまで便利だと考えられ使用されてきた石油製品の新建材は生産時に大量のCO2を排出する他に、取り壊しの際に埋め立てなどに頼らざるをえないことから、海洋汚染に結びつく廃棄処理の難しさも課題となっています。
木繊維断熱材STEICO(シュタイコ)はCO2を固定化する
木材はコンクリートに比べて4倍の炭素を固定化でき、1トンのシュタイコ木繊維断熱材で約2トンのCO2を削減吸収し固定化できるので、木造建築は世界でも最もサスティナブルな建築工法と言えます。
木繊維断熱材STEICO(シュタイコ)は木の可能性を最大限引き出す
世界最大の木繊維断熱材製造メーカーであるSTEICO(シュタイコ)社は「サスティナブル宣言」の元で森林認証された材木だけを原料とし、シュタイコ木繊維断熱材は、木を原木から端材まですべて使い切り、一切廃棄物を出しません。最初に、原木をLVL構造材に加工し、その端材を断熱材、さらに梱包材、そして最後に残った残材を工場で生産のための熱源としてバイオマスエネルギーで使用し使い切っています。
結果として、製造過程で排出する年間CO2排出量57万トンに対して、108万トンものC02が固定化された木製品を生産する事が出来ています。
シュタイコは製品製造中の厳しい管理以外にも第三者機関による原材料の継続的な管理のもと排出物もなく危険がないことが認定されており、信頼されている森林だけを産地とし、各種エコロジー認定を受けているオーガニックな断熱材です。
建築のCO2排出量
建築のCO2排出量は39%もあり、運送運輸が22%、製造業が30%なので、建築のCO2排出量は大きな影響力を持っており、建築を変えていく事が、2050年に向けて脱炭素化するための最も重要な点であることがわかります。
断熱材の体積は70%
省エネ性能の高い建築を広めていくことだけでなく、断熱材は住宅の70%の体積を占めているため、木造化を進めることと断熱材を木質化することが脱炭素社会に向けた最良の建築です。
木繊維断熱材STEICO(シュタイコ)の特徴
日本よりはるか以前から地球温暖化への対応策として温室効果ガスを減らし、脱炭素化の取り組みが一般社会に浸透している環境保護先進国ドイツ、そこには脱炭素化へ取り組む意識が生活の中に当たり前にあります。そんなドイツ生まれで木の繊維から生まれたシュタイコはサスティナブルな断熱材として環境に優しいだけではなく人にも優しい未来の断熱材です。
断熱材の種類は石油系、天然系と世界共通ですが地域によって使用量が異なります。事実として日本ではまだ天然素材の断熱材が広く知られている状況とは言えません。
一方ヨーロッパにおいては、建築材料が環境に大きな影響を与えると考えられ、断熱材の原材料の管理、生産、廃棄に至るまでカーボンマイナスの意識の高まりから天然素材の断熱材に注目が集まっています。
従来の断熱材は石油系断熱材(発泡ポリスチレン系断熱材、グラスウール、ロックウールなど)があります。しかし、再生可能な資源による断熱材というものもあり、それがこの木繊維断熱材シュタイコや新聞紙などを原料としたセルロース断熱材などがあります。この再生可能な資源による断熱材は日本では広く知られていませんが、ヨーロッパでは建築材料が環境に大きな影響を与えると考えられており、断熱材の原材料の管理、生産、廃棄に至るまでカーボンマイナスの意識の高まりから天然素材の断熱材に注目が集まっています。
ドイツの2019年の断熱材販売量の中で、再生可能な原材料で作られた断熱材のシェアは、およそ9%。
化学原料が48%、鉱物原料が43%、再生可能な原材料が9%。その中でも木質繊維断熱材は58%、セルロースが32%、その他の再生可能な原材料のものが10%。
木繊維断熱材STEICO(シュタイコ)の熱容量と熱の遅延
熱伝導率は冬の寒さ対策として重要ですが、熱容量と熱の遅延は夏の暑さ対策として非常に重要です。木繊維断熱材シュタイコの熱容量は、熱の侵入を減少させるだけでなく外気温の室内への侵入を遅らせることに役立ちます。
外気温が35℃の時、屋根瓦は80℃に達し、その結果、一般的な断熱材の場合、室内は30℃以上の耐えられない暑さになります。しかしシュタイコなら熱容量と言われる断熱材が熱を溜め込む力が優れており、少なくとも11時間以上の熱の遅延を実現することで涼しく快適な室内環境をつくってくれます。
日中に断熱材の中に蓄熱した熱エネルギーは、日没と共に温度の下がった外気方向に移動し、断熱材の温度を下げはじめます。つまり、11時間の熱の遅延ができれば日中の高熱は室内に届くことがほとんどなく、外気温が室温に影響しないので室内は常に一定の温度を保つことができます。
これまで熱容量と熱伝導率を高いレベルで併せ持つ断熱材がなく、シュタイコで初めて可能になり、高性能なシュタイコを使った家は温室効果ガスの発生を抑え暮らす人の健康を守ってくれます。
木繊維断熱材STEICO(シュタイコ)と従来の断熱材の違い
近年の要の高温下では、屋根の断熱材の種類によって全く違った結果が出ます。図1の条件下で2種類の断熱材を比較した結果が下記の図2のグラフとなります。
図2の黄色いグラフ(A)のグラスウール断熱材【U値0.1gw/m2・k、熱伝導率0.035 W/(m*K)、比重20kg/mi】の場合、熱の運延は6.8時間となります。この結果、外気温のピークである14:00から6.8時間後の夜9時には屋根裏部屋の室温は29°Cとなり、就寝時の室温としては非常に暑く不快な空間となります、さらに外部は29°Cなので窓を開けても室温は下がりません。グラスウール断熱材の場合、室温は最高29°Cから最低17°Cと12度も変動します。
グラスウール断熱材を木繊維断熱材シュタイコに変えることで、室内の過ごしやすさは劇的に変わります。
図2の緑のグラフ(B)のシュタイコフレックス「U値0.24W/m2・K、熱伝導率0.038W/(m*K)、比重50kg/milは、より比重が重いことから、熱容量が大きく向上します。熱の遅延は11時間と大幅に伸び、外気温のピークである14:00から11時間後の1:00頃が室温のピークとなりますが、わずか21°Cと涼しく過ごしやすい室温となります。
室温は最高21°Cから朝方の最低16°Cとわずか5°Cの範囲で安定し、仮にこの室温でもまだ暑いと感じられる時には、窓を開けて外部の空気を取り入れて室温を下げることができます。
木繊維断熱材STEICO(シュタイコ)が夏を快適にする
人間が感じる体感温度は室温でだけではなく、部屋の壁の表面温度にも大きく影響されます。壁の表面温度が射熱となって体感温度を変化させるので、断熱材には熱伝導率だけでなく大きな熱容量も必要です。
体感温度=(室温+壁表面温度)÷ 2
壁や天井の表面温度を上げることで、安定したストレスの無い快適な室内環境を作ることができます。木繊維断熱材シュタイコは非常に大きな熱容量と優れた熱伝導率で、夏の高温や冬の低温時でも体感温度を安定させ室内で快適に過ごすことができます。
例えば室温が同じ24°Cの場合でも、壁の表面温度が34°Cの場合と28°Cの場合では、体感温度は壁の表面温度34°Cの時29°C、28°Cの時26°Cと快適性が大きく変わります。
また、壁の表面温度の輻射熱で涼しさを感じるので、エアコンの風が当たる側だけ涼しい、風が当たる側だけ肌が乾くなどの温熱の偏りがなく、部屋中で均一な涼しさを感じることができます。つまり、従来の熱伝導率の低さだけでは夏の暑さを快適にすることはできないのです。
従来の断熱材は、熱伝導率を断熱性能の目安にします。しかし、熱伝導率は冬の寒さに効果的ですが、夏の暑さには効果的ではありません。日本の夏の暑さには熱容量の大きさと熱の遅延性、調湿性が重要なのです。木袋維断熱材シュタイコは熱伝導率と熱容量、熱の遅延性、調湿性を高いレベルでバランスさせ、冬だけでなく夏も快適にする唯一の断熱材です。
木繊維断熱材STEICO(シュタイコ)の優れた調湿と透湿性能
木の持つ多乳質な構造で、木繊維断熱材シュタイコはグラスウールなど石油系断熱材に比べ15倍もの調湿能力と優れた透湿性を持ちます。
シュタイコで断熱された屋根や壁は水蒸気が行き来できる呼吸する家になります。1㎥はでおよそ7Lの水蒸気を溜め込むことができるので湿気が多い時期でも快適になり、逆に乾燥している時には室内の空気を適度な湿度に保つ特性もあります。また過度な湿気はカビや結露の原因になり人間の健康に大きく影響し、過乾燥は喘息やアトピーなどの原因にもなり得ます。
他にも、湿気は建物の寿命にも大きく影響することが知らています。多湿な日本で従来の断熱材は調湿、透湿という湿気のコントロールができないため、壁体内でを起こし建物の構造を腐らせ劣化させやすくなります。木繊維断熱材シュタイコは1年間を通して室内を40-60%の湿度で安定させ快適で健康な空間を作るので、高温多湿な日本の気候に最適な断熱材といえます。
木繊維断熱材STEICO(シュタイコ)の遮音性と吸音性
木は多孔質で柔らかな構造から、音を吸収し人の聴覚に優しい波長だけを残すという機能が優れています。木繊維断熱材シュタイコをは吸音性能に優れており、話し声、テレビの音、車のエンジン音などあらゆる騒音が室内に侵入するのを防ぎます。まるで図書館のような静かで落ち着いた居住空間を作るので、夜もぐっすり安眠することができます。
この音については、以前、栃木県でシュタイコを採用した住宅を見学したときに、音が反響せず吸音されているな実感し、また外部の音が少なく、その建物は住宅街でしたが森の中の別荘にいるような感じを受けました。
木繊維断熱材STEICO(シュタイコ)の難燃性
シュタイコは高い防火性能であなたの大切な家族を守ります。高密度な木繊維で構成されているため万が一火災が発生した際には表面が焼け焦げ炭化層を素早く形勢し火災の広がりを抑えます。また住宅火災での死亡原因の多くは新建材から発生する有毒ガスですが、石油系由来の断熱材とは異なり、火災時に有毒なガスを発生することもありません。
防火試験では断熱された外壁を外側から800°Cで30分間燃やし、室内側にどれだけ熱が伝わり、室内が燃えるかを試験します。木種雑断熱材シュタイコで断熱された壁は室内側に熱を通さず、室内側の温度変化は全くありませんでした。
さらに木繊維断熱材シュタイコの表面が薄く炭化しただけで、その下の構造用面材が燃えることもありませんでした。高温の炎の影響が全くないことで、木繊維断熱材シュタイコが火災に非常に強いことが証明され、外壁にも安心して使用いただけるよう各種の防火地域に対応し、モルタル仕上げ、鋼板仕上げにも防火対応しています。
木繊維断熱材STEICO(シュタイコ)のエコロジー性能
木繊維断熱材シュタイコは耐久性に優れている上に、森林管理された木材だけを使用し、生産工程でも有害化学物質を使用せず、主に木の持つ成分で断熱材に加工されます。
断熱材の役割を終えたら土に還る成分のみで作られています。石油製品の新建材のように地球環境に大きな負荷をかけることはありません。さらに80年~100年の耐用年数を想定して作られた断熱材なので、欧米に比べて耐用年数がわずか1/4という短命な日本の在宅寿命を大きく伸ばすことができます。
主材:トウヒなど針葉樹
防蟻剤:ホウ酸
難燃剤:硫酸アンモニア
撥水剤:パラフィン
シュタイコが考えるもう一つの重要なエコロジーとは「建築廃材を無くすこと」です。断熱材は建築材のおよそ70%を占めるといわれています。しかし従来の断熱材の廃棄時には燃やすこともできず、産業廃棄物として埋め立てるしかありませんでした。今日では埋め立て可能な場所は残り少なくなり、一部は海洋汚染につながることからも目をそらすことはできない問題となっています。
木繊維断熱材シュタイコは建築現場の廃材を無くし住宅の長期の耐久性を高め、家を建て替える際に再使用することもできるほどの長期の耐久性を持つ、本当の意味でのエコロジー建築に貢献する断熱材です。
木繊維の復元力
シュタイコゼル(zell)は壁だけでなく屋根断熱として、また新築だけでなくリフオームでも安心して使用できます。シュタイコゼル(zell)を屋根垂木間に吹き込むだけで理想的な断熱性能が約束されます。その秘密は針葉樹を高温の蒸気で繊維化していることにあります。針葉樹の長い繊維が強い反発力を生み壁内や急勾配の屋根でも沈下を防ぐ仕組みになっているのです。シュタイコゼル(zell)は同時に、微量のポリオレフィン繊維を混合させることでさらに復元力を高め、日本の多湿の環境でも壁内での沈下を防ぐ製品開発に成功しました。
なぜこのことを書くかというと新聞紙を材料にしているセルロースファイバーは時間が経つと下に下がってしまうと、沈下しないセルロースファイバーを販売している営業の方に聞いたからです。そうなるとセルロースファイバーも物によって沈下してしまう可能性があるということです。
Blogでは載せきれない写真をSNSにのせています
大畠個人のInstagramでは、Blogに載せきれない写真を随時アップしているので、こちらも是非覗いてみてください。
Instagram:@ryoji.ohata
Facebookをやっている方はこちらから
Facebook:@大畠稜司
Twitterをやっている方はこちらから
Twitter:@RyojiOhata
Linkedlnをやっている方はこちらから
Linkedln:@Ryoji Ohata
弊社設計事務所のInstagramでも、現場や今までの事例などをアップしているので、こちらも是非。
Instagram:@ryojiohataarchitect_official
Facebookをやっている方はこちらから
Facebookではリンクが貼れるので、オープンハウスやイベント情報を載せることが多いです。
Facebbok:@大畠稜司建築設計事務所
Twitterをやっている方はこちらから
Twitter:@RyojiOhataAAA
是非、個人も設計事務所のアカウントもフォロー、いいねをしていただいて、情報をシェアしてください。
よろしくお願い致します。