機能と素材を感じる塗り壁のようなエコフリース
名古屋の家1(対峙しない家)で初めて採用したエコフリースが気に入りここ最近のプロジェクトで採用しています。エコフリースを気に入っている理由は、なんと言ってもエコフリースの素材感と機能です。名古屋の家1の内装を漆喰で考えていたのですが、予算などを考え他の建材を探していました。その時に、ちょうど弊社にエコフリースを取り扱う会社、株式会社ナガイの方がエコフリースを営業しに訪問してくれ、その同じタイミングとで建主から
「大畠さん、エコフリースというのを見つけで良さそうだと思ったのですが、大畠さんこれについて何かご存知ですか?予算を抑えられる部分として壁材があると思ったのですが、クロスとそこまで変わらない値段で素材としては良さそうだったので。」と連絡が届きました。
私もエコフリースについて調べていたのでビックリし、採用することにしました。
エコフリースを取り扱う株式会社ナガイについて
株式会社ナガイさんは、創業以来一貫して住空間に関った事業を営まれ、企業の理念の一部を抜粋すると
21世紀は環境、エコロジー、省エネルギー、健康、快適等さまざまなテーマが目白押しです。
引用元:株式会社ナガイ「企業理念より」
このような時代の流れの中で「本物の素材」にこだわり、より良い製品を適正な価格で提供していくことがこれからの時代が求める豊かな住空間をクリエイトすることにつながっていくのではないかと考えます。
とあり、今まで知らなかったのですが安永元年(1772年)にはじまっている老舗企業です。
エコフリースの特徴
エコフリースの特徴をまとめると
・壁紙でありながら塗り壁のような美しい表情
・自然素材を主原料
・優れた通気性・透湿性「呼吸する壁紙」
・結露やカビの発生を抑制
・メンテナンスの容易性
・摩擦や衝撃に強く優れた耐久性
壁紙でありながら塗り壁のような美しいエコフリース
弊社では新しい建材を使う時は事前にサンプルを取り寄せて確認していますが、サンプルの大きさはA4版など小さなものため、壁一面で見るのとは違いますが、触った感じ、仕上げの質感、機能などを調べ採用しました。
自然素材が主原料のエコフリース
主原料はパルプ等の自然素材で、強化のためにポリエステル繊維を含む強靭な壁紙用不織布(フリース)に工場塗装を施したものです。我々の事務所の天井と壁には自然塗料(ホタテ健康壁あわせパウダーのシェルペイント)、床は杉の間伐材とビニールクロスなどの石油由来のものを使っていません。このような空間でずっと仕事をしているためか、ビニールクロスなど石油由来のサンプルで取り寄せるとそのサンプルの匂いがきつくなってきました。そうゆうこともあり、自然素材の中で生活をしてほしいので自然素材を提案しています。
日本の住宅ではビニールクロスが90%以上を占めていますが、ドイツやスイスなどでは紙クロスが使われており、フリースを基材とした壁紙は耐久性・施工性に優れ、世界でシェアを伸ばしています。
優れた通気性・透湿性「呼吸する壁紙」エコフリース
パルプ等の自然素材を主原料としたエコフリースは、通気性・透湿性が高いため、結露やカビの発生を抑えます。さらに、下地に透湿系建材を使うことで室内の湿度環境の安定が図れ、健康で快適な住まいとなります。
メンテナンスが容易なエコフリース
エコフリースは強靭な不織布を使用しているため水拭き可能で、中性洗剤も使え、さらに水を含ませたメラミンスポンジで軽く擦ることもできます。また、酷く汚れてしまったり傷ついてしまったら塗料の上塗りによってリカバリーできます。10回程度重ね塗りができるとのことなので、リノベーションなどでイメージを変えたい時は、クロスの張り替えではなく色を変えることで簡単に模様替えができます。張り替えによるゴミが出ないためCO2の削減にもつながりますし、ビニールクロスの処分は環境に大きな負荷をかけます。
専門的な話になりますが、国土交通省の不燃認定を取得しているため、エコフリースを使える場所が多くあります。
摩擦や衝撃に強く優れた耐久性があるエコフリース
強靭な不織布を使用していると言っても、主原料がパルプ等の自然素材のため、ビニールクロスより耐久性が劣ると思われると思います。そこで、株式会社ナガイさんが摩擦耐性実験を行いました。
その実験結果によると、一般的なビニールクロスは表面が破れて裏紙が露出してしまいましたが、エコフリースは塗膜にテカリが出たものの、大きな傷にはなりませんでした。
エコフリースのデメリット
ここまでエコフリースのいいことしか書いていませんが、もちろんデメリットもあります。
・ビニールクロスより高い
・張り方がビニールクロスとは違う
・エコフリースが知られていない
主原料が高いからなのか、機能性があるからなのか、使われる量が少ないからなのか、ビニールクロスより1.2〜1.3倍ほど高いので、張る面積が広いとこの差は大きいです。
また、張り方に特徴があるため初めてエコフリースを張ると難しく感じるかもしれません。そのため、名古屋の家では弊社の営業担当の方が気を遣っていただき、試し張り用に工務店に送ってくれ、事前に練習をしてくれました。その甲斐もあり、名古屋の家では綺麗に仕上がっていて、建主も私も満足しています。今回張ったものは仕上げがフラットのため、下地のおうとつを拾ってしまうのですが、下地処理をしっかりしてくれたので、塗り壁のような仕上りとなりました。
全館空調の住宅で採用してまだ1年で、使われていない部屋の入隅部に少し隙間が出ましたがそれ以外は問題なく、今回採用した結果、価格はビニールクロスよりは高いですが、仕上り、機能性などの住環境を長い時間で考えると決して高くないと思い、他のプロジェクトでも採用していますし、今後も採用を考えています。
今回の家づくりのパートナーは株式会社ザイソウハウス
株式会社ザイソウハウスさんについては、下記の記事で紹介していますのでこちらをどうぞ。
「走行距離1400kmの出張〜名古屋の家1(対峙しない家) Project Vol.07〜」
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