Patagonia(パタゴニア)が考える環境問題
いつからか環境のことを考えるようになった。
建築家とういう職業を選び、下積み時代に当たり前のように壁や天井の下地材に石膏ボードを設計で指示していた時に、その石膏ボードの処分方法が埋立処分と聞いてからかもしれない。
みんなでパテを塗っているのが石膏ボードです。
工事中の現場でよく見る建材ですね。
1人の建築家が何も知らずに指示したことが、環境に悪影響を与える。
石膏ボードは、強度に優れ、断熱・遮音性が高いのに安い。そのため、今の建築のほとんどに使われています。
しかし、そんな石膏ボードを処分しようとすると、一定の条件下において人体に有害な硫化水素を発生させる危険性があり(難処理廃棄物) 、その石膏ボードが埋立処分されるとなると、将来はどうなるのだろう。
そんなことから、建築家として素材について考えたり、素材を指示する立場として、より一層環境のことが気になっていた。
一建築家として社会に何ができるのか。
それから、独立したら環境に配慮した素材を使おうと思い、弊社の床は杉の間伐材を使った無垢フローリング、壁と天井は産業廃棄物となる貝殻を砕いた調湿作用がある自然素材の塗料を塗っています。
まだ石膏ボードに換わる材料は見つけられていません。
環境のことを考えるようになってから、ある企業の広告が印象的でした!
Patagonia(パタゴニア)という企業
Patagonia(パタゴニア)がブラックフライデーに「Don't Buy This Jacket(このジャケットを買わないで)」という広告をニューヨーク・タイムス紙に掲載していたんです。
それまでは、「Patagonia(パタゴニア)=質はいいが高い」というイメージでしたし、その広告を見たときは、大きな会社だからできる広告だなと思いつつも、まずは何かアクションを起こすことが大切なんだろうと自問自答していました。
マイクロプラスチックファイバーを知っていますか?
ポリエステルやナイロンを原料とする合成繊維の一種で、髪の毛の100分の1以下という、細さ。マイクロプラスチックファイバーは、極細な繊維を加工し吸水性と保温性を高めています。
身の回りでは多くのものに使われており、メガネ拭きやタオル、さらに毛布、フリースなど。しかしこの優れた合成繊維(マイクロプラスチックファイバー)が環境を汚染しています。合成繊維の衣類を洗濯するたびに、プラスチック製ファイバー(マイクロプラスチックファイバー)が抜け落ちて、洗濯機から川や海へと流出するのです。
このマイクロファイバーは微細なため、目ではほとんど見えない上に、下水処理場ではこれらのマイクロプラスチックファイバーを効果的に濾過して除去することができないとのこと。環境中に流出したマイクロファイバーには、蔓延するバクテリアや汚染物質が蓄積します。それを摂取した水生生物は胃腸に感染症や閉塞を引き起こしたり、繁殖障害や餓死する可能性もあり、そうした問題は最終的に食物連鎖の上へと上昇していきます。
そのマイクロプラスチックファイバーの流出を抑えるのに効果があるのが、「GUPPYFRIENDウォッシング・バッグ」です。
GUPPYFRIENDウォッシング・バッグは、Patagonia(パタゴニア)で見つけたバッグで、GUPPYFRIENDウォッシング・バッグを知ったことで、マイクロファイバーの問題を知りました。
GUPPYFRIEND(グッピーフレンド)ウォッシング・バッグ
GUPPYFRIENDウォッシング・バッグは、洗濯中に抜け落ちたマイクロプラスチックファイバーをバッグの内側に留めることができるため、GUPPYFRIENDウォッシング・バッグを使うことでマイクロファイバーが川や海へ流出することを防ぐための実用的な解決策となります。
さらに、バッグ内の衣類は機械的圧力を受けにくく、やわらかな表面が繊維の抜け落ちを抑え、その結果、衣類の寿命を延ばすらしい。
環境のことを考えながら、そのうえ衣類の寿命を延ばすことができるなんてすごい!
中のリーフレットにはこのように書いてありました。
「使用後はバッグからマイクロファイバーを取り除き、適切に処分してください。GUPPYFRIENDウォッシング・バッグが唯一の解決策というわけではありません。私たちの消費行動も根本的に変える必要があり、新しい素材と汚染を抑える洗濯機の開発も求められます。これにはしばらく時間がかかりますが、それではGUPPYFRIENDウォッシング・バッグが、川や海のプラスチック汚染を削減するための実用的で効果的な方法です。」
GUPPYFRIENDウォッシング・バッグを触ると、本当にきめ細かいバッグになっていることが実感できます。
Patagonia(パタゴニア)の店員さんと、「マイクロプラスチックファイバーという便利な素材ができ、この素材を使った便利なものを今から利用しないという選択はなかなかできない。だからこそ、将来のことを考えて今できることをアクションに起こすことが大切ですよね。」と話していました。
GUPPYFRIENDウォッシング・バッグは、Patagonia(パタゴニア)全直営店とウェブサイトで購入できます。この前買いに行ったら売り切れだったので、倉庫から送ってもらうように手配してもらいましたが、それほど環境を考える人が多いのだなと思いました。環境を考える人がPatagonia(パタゴニア)で買い物をするのか。
独立をしてから、どこの誰にお金を支払うかを考えるようになり、また価格でふるいにかけられない会社になりたいなと常々考えています。
GUPPYFRIENDウォッシング・バッグに同梱されていたリーフレットは、国産竹100%の竹紙にノンVOCインキ(石油系溶剤0%)で印刷されています。
ちなみに弊社の名刺は、建築設計事務所ということもあり間伐材を使った名刺を採用しています。間伐材パルプ10%以上+古紙30%以上+バージンパルプ(古紙などを再生したものではなく、始めから木材を材料にして製造したもの)。
GUPPYFRIEND(グッピーフレンド)ウォッシング・バッグ以外でできること
Patagonia(パタゴニア)は
「ウォッシング・バッグを使うことで問題が簡単に解決するわけではないのは、誰もが承知するところ。GUPPYFRIEND(グッピーフレンド)ウォッシング・バッグを使わなくてもできることは他にもあります。繊維の抜け落ちが比較的少ない高品質の製品を購入する、洗濯の回数を減らし、縦型洗濯機に比べて繊維の抜け落ちが5倍も少ないドラム式洗濯機を使用するなど。」
と言っています。
STOP! MICRO WASTE
GUPPYFRIEND ウォッシング・バッグは、ドイツのPatagonia(パタゴニア)のパートナー「STOP! MICRO WASTE」によって製造されているそうです。
この「STOP! MICRO WASTE」はサーファーと自然愛好家のグループである「LANGBRETT」によって発足した、ドイツのベルリンを拠点とする非営利団体らしく、サーフィーをしていた自分、オーストラリアで本当の自然を知った自分には、「Patagonia(パタゴニア)」、「STOP! MICRO WASTE」に共感ができる部分が多々あるような気がしています。
持続可能とは
この前、J-WAVEを聞いていたら「持続可能」という言葉について話していました。さらに今読んでいるPatagonia(パタゴニア)の本にも「持続可能」について書いてあります。
「持続可能」について、こちらのBlogを覗いてみてください。
ASAHIKAWA DESIGN WEEK 2018 3日目その1
〜下川町SDGsの取組みのSDGsとは?〜
旭川で開催されたASAHIKAWA DESIGN WEEKのタイミングで、北海道下川町のSDGsの取り組みを見学にしに行った時のBlogです。
「the more you know, the less you need」
日本のマイクロプラスチック以外の環境問題
環境については、マイクロプラスチックが問題となっていますが、日本の環境問題は脱プラスッチクだけではありません。
日本の森林面積は国土の67%、2/3が森林面積となっており、資源豊かな国です。その森林があることで、お酒や漁業などが恵まれており、水も大切な資源です。
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