我孫子の家1(路地裏のある家)について

所在地 :千葉県我孫子市
主要用途:住宅
構造  :鉄筋コンクリート造 地上4階建ての4階
敷地面積:---.--m²
建築面積:---.--m²
延床面積: 65.11m²
施工  :株式会社ドリームリビング
構造  :
撮影  :河野謙一

集合住宅の1室をリノベーションして新たな生活を考えている依頼主が、物件を見て回っている時に、弊社で設計をした松戸の家2(無垢な賃貸)を内覧し、そのインテリアと工事費用が気になって問い合わせがあった。
相談に来られた時には購入したい物件が選定してあって、その間取りがどう変わるか、松戸の家2(無垢な賃貸)などについていろいろ話しをした。物件の購入にあたっては、私が一度見もせずに購入のアドバイスができないので、これからの依頼主の生活をイメージし物件を見に行き、その部屋で感じたことや、周辺を歩き回り感じたことを伝え、既存の間取りからどう変わるかを提案した。
相談があった時にはすでに大手リノベーション会社にも相談されている状況だったが、おそらく「土間」の提案を気に入ってもらえて、物件の購入と弊社への依頼が決まったように思う。

依頼主はアクティブな方で、自転車3台とゴルフバッグの収納方法を考えてほしい、風が抜ける広い空間にしてほしい、綺麗に作りこまなくていい、お風呂はシャワーだけでいいなどの要望があった。
1982年に完成した集合住宅で、プロジェクトが始まった時は築36年が経っており、元々の間取りは3LDKだった。構造がRC造で壊せない壁があったので壊せる壁を壊し、リビングダイニングを広くした。

我孫子の家1(路地裏のある家)では、玄関から続くレンガの土間と明るい水周り、見る方向によって世界観が違う壁が特にこだわったところだ。
大体の集合住宅は玄関ドアを開けると狭い玄関があり、狭い廊下を通るとリビングダイニングに行けるが、その窮屈さをどうにかしたいと考え、玄関を開けた時の開放感とリビングダイニング越しに外が見えた方が気持ちいいだろうと考え、廊下とキッチンの間を壊しキッチンカウンターを作った。また、玄関から自転車を押しながら収納できた方が便利だと考え、玄関から収納部屋まで土間を作った。さらにその土間の壁を外壁のようにするためにレンガタイルを張り、路地裏のようにし、玄関に入っても外にいるかのような空間づくりをした。
最初に物件を訪れた時に感じたのは、景色の良さと、風が南から北に抜ける気持ちよさだ。その点は依頼主も気に入っていて、風が抜けるようにしてほしいということと、シャワーブースなどの水周りも風が抜けるようにしてほしいと要望があった。そこで、シャワーブースに窓を作り、洗面所にも窓を作り、風が抜けるようにした。さらに、シャワーブースの一部をガラスにして、シャワーブースや洗面所を明るい空間にした。
水まわりなどの設備や家具は、依頼主とショールームを回って決めた。ショールームを回っていると、「ショールームのあの雰囲気が好き」など、イメージが膨らむようで、そういった時の感想やイメージを汲み取り、設計に反映している。

集合住宅が古いということもあり、壁の一部に断熱が入っていなかったので、南北に通っているコンクリートの壁に断熱を入れることを提案。しかし、依頼主は壁を剥がした無骨な感じが好きということもあり、断熱材を入れて自然塗料を塗る壁と、壁を剥がしたモルタルのままの壁の2種類の壁をデザインした。区別の仕方としては、主寝室の頭側の壁には自然塗料の壁を塗った方がいいと考えたので、各部屋の東側の壁(バルコニーを向いて右側)を自然塗料で塗った白い壁(Works写真の3枚目)とし、西側の壁(バルコニーを向いて左側)を既存のモルタル壁(Works写真の2枚目)を表しのままにした。そうすることで、主寝室から見ると灰色の壁が連なっているように見え、リビングから見ると白い壁が連なっているように見え、見る方向によって白い世界と灰色の世界を感じることができる。