ずっと建ち続けてきた納屋の解体
新築住宅の計画が進んでいる茨城県五霞町の計画地では、前回紹介した納屋を7月に解体を行いました。
「時代を超えてきた納屋の確認〜五霞の家1(田園をのぞむ家)Project Vol.03〜」

前回の記事でも書きましたが建主が生まれる前から代々受け継がれてきた納屋が建っており、2011年の東日本大震災を耐え抜いた大切な納屋です。しかし、だいぶ老朽化が進み、納屋を支えている構造材などが痛む前に解体し、再利用できる古材は活用することにしています。

この納屋は建主にとって想いれの深い建物ということもあり、この納屋の材料を新築住宅にどうにか継承したいねと建主とも話していたので、解体時には現地に通い解体屋さんとも相談しながら解体をしてもらいました。

解体中の納屋を見ながら痛んでいる部材と再利用できそうな部材を判断し残してもらいましたが、極力多くの部材を残してもらいました。部材の芯の部分の痛み状況を確認しながら解体してもらうのは、解体屋さんにとって仕事がしづらいと考え、多めに残し、解体が終わってからじっくり調べることにしました。

この計画地では、この写真の眺望を活かすことを誰でも思うことではないでしょうか。

少し高台になっている計画地の前には田んぼの風景が続き、解体の7月には緑の田んぼが広がっていました。解体は屋根の瓦から始まりましたが、屋根瓦を剥がす時に鬼瓦を綺麗に残してもらいました。

鬼瓦は飾りもありますし、厄除けという意味も込められているため、鬼瓦はとても大切な部材だと考えており、その想いは建主も一緒で、この鬼瓦も新たな家に継承したいと考えています。
納屋の解体2日目
納屋の解体の2日目も立ち会いました。初日は屋根の瓦を剥がし、どの部材を残すかなどを解体屋さんとも話ながら進め、2日目は手壊しで解体してもらいました。

この規模であれば重機で解体すればすぐに解体できるのですが、手壊しで丁寧に解体してもらいました。

こういった古い納屋の軸組はとても興味が惹かれます。

次の写真が前回の記事で最も印象に残っていると書いた小屋束の梁の組み方。

今では柱や梁は角形が多いですが、納屋では円柱の棟木を使っていました。

左右の梁をXのように組みそこに棟木を乗せ、しかも左右の梁とその梁を支える小屋束は木栓で留めており、金物は使っておりません。

納屋の解体後
3日目には納屋が綺麗に解体。コンクリートの基礎がないので、上家だけの解体。

上家を解体したら何も残らない、上家の部材は焼却できるので燃料としても使える。

地震のことを考えなければ、何も残さない、解体したものが地球に負荷がかからない、これが理想の建築。

この残した古材の中から新築する住宅で再利用できるものを選びますが、まずはその選んだ木を綺麗に洗わないといけません。
解体後の五霞の家1
7月にこの解体が終わり、その後は見積図面の作図をし10月中旬には見積図面を工務店に提出しました。納屋の解体後は他のプロジェクトの松戸の家5の見積図面を9月に提出し、11月は松戸のセントラルキッチン1の現場調査から図面をおこし見積図面作製、その間に練馬区で進んでいる練馬の共同住宅1の確認申請と現場監理が進んでいたため、この記事のアップが遅くなってしまいました。
五霞の家1は10月中旬に見積図面を提出した後、年明けに見積が本格的に始まったようで、その間に、松戸の家5は見積が確定し来月か再来月には解体が始まり、松戸のセントラルキッチン1は今月末から着工予定、練馬の共同住宅1は来月に引き渡し予定です。
五霞の家1は前回の記事の最後にも綴りましたが、価格高騰もあり非常に厳しいとことになりそうですが、予算内で納得していただけるように引き続き頑張ります。そのためにも私ができること、古材の洗浄、これを工務店にお願いするとおそらく手間賃が取られそうなので、私がやろうと考えています。
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